3分でわかるシエラレオネ紹介シリーズ「FGM編」Vol.9
NPO法人アラジを日ごろ支えてくださっている皆様、誠にありがとうございます。私たちNPO法人アラジは、シエラレオネ共和国において、困難な立場に置かれている子どもや大人たちへ、様々な支援事業を日々実施しています。
今月も、支援者の皆様に、3分でわかるシエラレオネ紹介をお届けします。

シエラレオネの女性の約9割が経験する、成人になるための通過儀礼とは?
シエラレオネでは、現在も医学的な処置を介さない女性器切除(female genital mutilation:FGM)を、9割の成人女性が、通過儀礼として行っています。
ブンドゥー結社の存在
シエラレオネでは、女の子の通過儀礼を行う秘密結社であるブンドゥー結社の儀式を受けるために、FGMを受けることが強制されています。女の子は大人の女性になるためのしつけを受け、部族の義務を学び、儀式のための踊りや歌、精霊との接し方を身に付け、FGM(女性器切除)の儀式を受けなければならなず、精神・身体的に大きな傷を負うことになります。
一方でFGMを受けなければ‘’不完全な女‘’というレッテルを貼られ、コミュニティからの迫害を受けて社会での生きづらさを教えらることになります。
(参考記事)
男性だけの秘密結社であるポロ結社
女性の秘密結社に加えて、男性(主に少年)のみが所属するポロ結社も存在し、少年たちは数か月間にわたって精霊たちが少年らをのみ込んだ印である「歯形」を、かみそりの刃で背中に刻む儀式を行います。
FGMの全面禁止は困難な状況、子どもへの同意や、切除を伴わない儀式の普及を。
秘密結社が関わる誘拐や死亡事件が発生したことを受け、秘密結社を一時禁止する声が、過去に政府に上がっています。現在では本人の同意なく儀式を行うことは禁止され、秘密結社のメンバーではない人への差別は、現在では違法となっています。
しかし、選挙票獲得のために政治家が秘密結社の儀式を支持している現状もあり、儀式の完全な撤廃は困難になっています。
そうした中で、欧州人として初めてブンドゥー結社の儀式に参加したスイスの援助活動家ミシェル・モロー(Michele Moreau)氏が、女の子の精神的・肉体的苦痛を和らげるため「切除」を伴わない儀式の普及に努めています。
実際に、ブンドゥー結社の長である25名のソウェイ(Soweis)がシエラレオネのトンコリリ地域で切除なしの儀式を行っており、そうした儀式を受けた女性は約700人に上っています。
(参考記事)
FGMは国際社会の中では、断固として子どもへの人権侵害や暴力と捉えられていますが、現地の文化を尊重しつつ、切除を伴わない儀式があることや、子ども自身に選択権があることの普及ということも、考察していきたいですね。
いかがでしたでしょうか?
また、来月も、シエラレオネ3分紹介シリーズをお届けしていきます!
3分でわかるシエラレオネ紹介♪編集
下里夢美
中間宏
花田優子
豊田夏子
池宮城一希
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コロナ禍で世界の児童労働は増加傾向です。Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forwardによると、なにも対策しなければ、児童労働に従事する子どもの数は、2020年の1億6000万人から、2022年末には1億6890万人に増加する可能性があると言われています。
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(投稿)スタッフ 宮川琳