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私たちは西アフリカのシエラレオネ共和国で、予期せぬ妊娠や性暴力から若者たちの未来を守るため、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の教育・啓発活動を行っています。

今回、シエラレオネ現地の4つの薬局と協力し、実際に緊急避妊薬(アフターピル)を購入した266名を対象に匿名アンケートを実施しました。その最新の集計結果から、日本では見えにくい現地の若者たちの実態と、これからの支援に必要なアクションが見えてきました。
1. 購入者のプロフィール : 年齢層と性別

緊急避妊薬の購入者は、18〜24歳の若者が全体の約6割(60.5%)を占めており、若い世代にとって非常にニーズが高いことが分かりました。また、15歳未満(10名)や15〜17歳(27名)といった未成年層のアクセスも一定数確認されています。
性別で見ると、女性が62%と過半数ですが、男性による購入も19.9%(約5人に1人)存在します。この結果は、緊急避妊薬の利用や避妊への関与が女性だけのものではないことを示しており、女性だけでなく男性も含めた包括的なSRHR教育の必要性が強く浮き彫りになりました。


2. 購入者の半数が「初めての利用」
回答者の50.8%(135名)が「初めて緊急避妊薬を購入した」と回答しました。利用者の約半数が、今回初めて緊急避妊薬という手段にアクセスしたことが分かります。
購入時に服用方法だけでなく、今後の継続的な避妊方法や副作用、困ったときの相談先などの情報がいかに届くかが、今後の重要なポイントとなります。

3. 性教育の現状と見えてきた「2つの大きな壁」
これまで何らかの性教育を「受けたことがある」と答えた人は56.8%(151名)でしたが、「一度も受けたことがない」という人も27.1%(72名、約4人に1人)存在しており、性教育へのアクセス格差が残っています。
課題①:『緊急避妊』そのものの教育不足
受けたことがある性教育の内容を詳しく見ると、一般的な「妊娠予防(126件)」や「性感染症(111件)」に比べ、「緊急避妊(75件)」に関する教育は著しく遅れています。そのため、「実際に必要になるまでアフターピルの存在や正しい使い方、入手方法を知らなかった」というケースが多いと推測されます。
課題②:『性的同意』に関する教育の遅れ
「同意と健全な関係(82件)」についての教育も不十分です。相手の気持ちを尊重する「性的同意」や、強制・圧力を受けないための知識は、アラジが現地で目指す「性暴力の予防」に直結する極めて重要なテーマです。

4. 明るい兆し:性教育の有効性と高い情報ニーズ
一方で、過去に性教育を受けたことがある人のうち、71.8%(191名)が「性教育が緊急避妊薬購入の意思決定に役立った」と答えています。正しい知識が、適切な避妊行動やパートナーとの対等な関係作りにしっかりと活かされている証拠であり、私たちが実施しているSRHR教育事業の有効性を裏付けるデータと言えます。
さらに、驚くべきことに全体の84.2%(224名)が「今後もっとSRHRに関する情報が欲しい」と回答しています。現地の若者たちは無関心なのではなく、「信頼できる情報にアクセスしたくても、その機会がない」のが実態です。

5. 今後のアクション
今回の調査から、現地の若者にアプローチする上で「薬局での調査」が極めて重要な拠点であることが確信に変わりました。アラジでは、この結果をもとに以下の活動を強化・検討していきます。
①薬局店頭でのリーフレット配布
緊急避妊薬の購入時に、副作用や正しい知識、相談窓口にすぐアクセスできる仕組みを整えます。
②性教育カリキュラムのアップデート
今後の啓発活動において、特に不足している「緊急避妊の仕組み」と「性的同意(パートナーとの健全な関係性)」の2テーマを大幅に強化します。
③男性の購入背景に関する追加調査の実施
今回、購入者の約2割を男性が占めるという結果が出たことを受け、今後は「男性がどのような背景・理由で緊急避妊薬を買いに来たのか」を掘り下げる追加調査を行いたいと考えています。



誰もが自分の心と体のことを自分で決められるシエラレオネの未来を目指し、アラジはこれからも現地の声に寄り添った支援を届けてまいります。温かいご支援をよろしくお願いいたします。
(投稿)インターン 森唯葉






