こんにちは。
いつもアラジを応援・ご支援いただいている皆様、誠にありがとうございます。アラジ代表理事の下里夢美です。

2025年2月12日~2月28日にまでの16日間、私たちが事務所を構え活動するシエラレオネ共和国へ9度目の出張に行ってまいりました。3月1日から開始のラマダンを避ける形での渡航となりました。

17歳の時に、テレビでシエラレオネの貧困について知り、衝撃を受けたことで国際協力活動を志し、一時も熱が冷めることがなく16年が立ちました。気が付けば9度目の渡航です。
今回は、「世界の人々のためのJICA基金」でのJICAとの協働プロジェクト実施がメインの渡航となりましたが、そのための管理業務に係る調整も含め、16日間の出張に行ってまいりました。
毎度、日本では考えられないハプニング満載の出張ログを、今回は詳しくHPやSNS等に掲載することにいたしました。
ぜひ、楽しんでご覧いただけますと幸いです。
また、皆様の支援がどのように使われているかも、合わせてご確認いただけますと幸いです。
1日目~4日目の出張記録はこちら↓
2月16日(日)出張5日目
いよいよこの日は、首都フリータウンから、約300km離れた事務所のあるケネマまで向かう予定です。

昨日に急遽きまった予定なのですが、昨日Garaの布を購入した際に、Gara布生産地であるマケニによってから事務所のあるケネマに行くことになりました。行きつけのGaraのお店のおば様が、布の生産地に妹が住んでいるそうで、行き方を教えてくれていたのでした。
下記のGoogleマップ上では、マケニによってからケネマにそのまま行けそうですが、マケニからケネマに抜ける道は塗装されていないオフロードのため、高速道路の3倍の時間がかかってしまいます。そのため、早朝に出発し、マケニは完全に寄り道するかたちで、Gara布生産地によってからポートロコ側に一旦戻って、ケネマに向かうルートで移動しました。




シエラレオネにはいたるところに検問所があります。
検問所は、ロープにボロ布がまかれているもので通せんぼされていることが多いです。
こういった↓定員オーバーのお兄さんたちも、検問所の前でおりて、検問所では徒歩で移動し、検問所を過ぎてまた乗り込めば怒られない…という現状はこのようなシステムのようです。笑

検問所では、警察官からどこへ行くのかと質問されたり、免許証やNGOライセンスを見せることを要求されたり、ビザを見せたりというひと悶着があります。
一昔前は、通行する度に賄賂を請求されたりもしましたが、現大統領は世界汚職ランキングの順位をあげて海外からの投機的機会を狙っているために、2018年に賄賂撲滅キャンペーンが全国で発令され、それ以降に道端や空港で賄賂を請求されることは、ほぼありません。
一方で、先日にギニア大使館の車に大量の薬物が積まれていた事件や、危険な違法薬物クッシュの流行、また子どもの人身売買等もあり、検問所は一応に、そういった事件を未然に防ぐためにあります。
(※ちなみに、ケネマで街から地方へ行くための検問はすべて我らが現地人スタッフピディーアの顔パスです。以前に、日本の皆様からのご支援でコロナ感染症対策緊急支援を実施し、その際にケネマ県のすべての人が移動する検問所に、私たちのロゴ入りの手洗いバケツと石鹸を提供したために、地元警察とは友好的な関係を築いております。)
いよいよマケニの検問所まで差し掛かりました。今回立ち寄るマケニは初通行。ドライバーライセンスをみせ、何やら警察官が集まってきて話しています。
「賄賂を請求されたらどうしよう…」
と不安に思っていると、なぜか【仕事終わりの警察官】が1人いるので、その人を車にのせて家まで送るように言われました。
さも、普通のこと、と言わんばかりに私たちの車に乗ってくる警察官。

名前を聞くと、この人の名前もアラジさんでした。
(シエラレオネにアラジさんはたくさんいます)
その警察官が、Gara布を生産している場所まで連れて行ってくれるらしいとのことです。
それはありがたいのですが…
そして、数分後…
ここがGara布の生産地だという場所に辿り着きました。
アラジさんという警察官は、「Thank you!」と笑顔で私たちの車からおりて、さっそうと歩き出し、気づいたら消えていました…。
そこでは、今まさにGara布が染められていたので驚きです。
生産者の皆さんに挨拶をすると、最初は「写真をとられたくない」「手染めのプロセスは教えたくない」という皆さん。
「中国人が昔、プロセスを見学にきたので、快く教えたら、デザインを真似された。今はプリントの安価な布が市場に出回っていて、シエラレオネのGaraは消滅しそうだ。私たちの収入も減っている。」
と教えてくれました。

私たちはライセンスも持っていて10年間も活動している日本のNGOであり、Gara布を守るためにきた、と何度か辛抱強く伝えると、最終的には心よく見学に応じてくれました。
ここで、大量にGara布を購入させていただき、今後も一緒にGaraを守りたい旨を伝えました。
最終的に仲良くなり、写真撮影の許可をいただきました。またプロセスも一通り見せていただくことができました。


また、Garaが売れることで、私たちがサポートを届ける10代で出産した女の子がもう一度学ぶための支援にもなることを伝えました。

そして、最終的には、私の名前が印字されている布をプレゼントしたいと言ってくれました!
すっかり温かく迎え入れてくれた皆さんに、感謝です。

日本へ帰国する際に、またマケニによることを約束しました。
そして、約300km離れたケネマ県へ向かいます。
300kmの道のりを経て、ケネマ県にある一番大好きなロッジに辿り着きました。
今回はJICAとの協働プロジェクトでの滞在ですが、JICA指定の安全な宿泊先であるとことが認められていたので、今回もなじみ深いロッジに泊まることができました。スタッフが本当にいい人たちで信用できます。

ロッジの食堂で一人夕食を食べていると、隣で食事をしていたグループの方が、ワインとおつまみを分けてくれるというハートフルな出来事がありました。
小さな幸せを見知らぬアジア人と、一緒に分かち合う
それがシエラレオネという国に住む人々なのでした。
次回、いよいよ…
10代シングルマザーの女の子たちと再会!
(投稿)下里夢美