災害孤児支援活動レポート#2 孤児たちの家庭訪問を実施しました
第4回目のシエラレオネ共和国における現地活動中の代表下里です。
前回の活動報告にもあげましたが、今回の現地活動から、2017年8月にリージェント通りで発生した、大規模な洪水における土砂災害で、両親を失った災害孤児10名に対して、継続的な教育支援を行うことが決定しました。今回は、実際に孤児たちの里親となったお宅への家庭訪問の様子をレポートにまとめました。
前回の活動報告「シエラレオネ災害孤児支援レポート#1 孤児支援開始のための現地調査がスタートしました!」
孤児たちはなぜ生き残ることができたのか? 里親宅訪問レポート
NPO法人アラジは、現地パートナーFC King Kongと協働し、1か月に一度家庭訪問を行い、孤児1名に対し月200,000Le(約5,000円※手数料込み)で、ひとまずは2018年の5月末まで10名の里親と契約を結び、家庭訪問時に子どもたちの様子を観察・支援金を手渡ししていく活動をスタートしていくこととなりました。
現在は9名の孤児たちの家庭訪問を行い、それぞれの里親と契約が完了しています。すべてのお宅の活動レポートは取り上げませんが、一つのお宅にスポットを当て、今回の被災状況の様子と現在の生活について、ご紹介いたします。
孤児となったSarah(1歳8か月)とSrarahの姉のYealle(12歳)の2人を訪ねました。
インタビューを受けている 里親となった祖母Aminataさん(左)
孤児となった12歳のYealle(右)
同じく孤児となった1歳8か月のSarah
里親宅のあるHill Stationを訪問しました。山肌の奥地にトタン屋根の家があり3畳ほどの小さな家に孤児2人と3人で暮らしています。
被災地のリージェント通りを離れ、Hill Stationに住むことになった12歳のYealleと1歳8か月の妹Sarah は姉妹で、二人とも里親となった祖母のAminataさんの家にいたため助かったそうです。もともとYealleとSarah は二人を含めて20人の大家族でした。震災のあった日、12歳のYealleは、ご飯を祖母のAminataさん宅に届け、そのまま泊まって翌日学校へ行きました。
Yealleはその日父と連絡が取れず、嫌な予感がして大工である父のWillber foeceにある職場に行くと、同僚がみんな泣いていて、その時家族が亡くなったことを知ったそうです。
20人家族で生き残ったのは2人だけ。18名は未だ行方不明だといいます。Yealleは飛び級し中学2年生で、Sarahはよく食べてとても元気。Aminataさんと3畳ほどのトタンの家に住んでおり、スリッパを売り歩くビジネスをしています。大家族を失い、孫二人をきちんと育てていけるか、毎日悲しみにくれていました。
インタビューの途中、終始泣き崩れる里親となったAminataさんと違い、12歳のYealleは、落ち込んだ様子でありながらもすべてを受け入れているようでした。
下里が支援金の受け渡しをしている様子
アラジとして今後は1か月に1度家庭訪問を実施、直接孤児2名に対して支援金の受け渡しを毎月行っていきます。インタビューの最後には、Aminataさんは、こんな笑顔をみせてくれました。
「この子がよく食べるのよ!」
今回里親となったAminataさんと同様に、すべての生き残った孤児が、親戚宅にいる間に両親が被災し、その親戚の家に引き取られることになりました。政府からの援助が受けられず家族を失った悲しみと経済的な不安を抱えています。今回の渡航中にあと1名の孤児の里親と契約をし、10名限定で継続支援をしていく予定です。
ご支援のお願い
NPO法人アラジでは、現在「災害孤児支援金」を随時募集しております。
ご関心のある方は、こちらのページよりご確認ください。
(文責)下里夢美
シエラレオネ災害復興支援チーム
代表理事長:下里 夢美
理 事:鈴木香緒理
理 事:支倉 常明