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(2025年4月29日)現地法人Jasile Foundationが「シエラレオネ人道支援アワード2025(Sierra Leone Humanitarian Service Awards 2025)」 を受賞しました。

2025年4月30日

この度、特定非営利活動法人Alazi Dream Project(以下、NPO法人アラジ)のシエラレオネ現地法人、
JaSiLe Foundation(代表:下里夢美) が、「African CEO Media Corporation」主催の「シエラレオネ人道支援アワード2025(Sierra Leone Humanitarian Service Awards 2025)」 を受賞しました。

この賞は、持続可能な開発、人道支援活動、慈善活動、困窮者支援といった分野で、社会に有意義な影響を与えた個人・団体に贈られるものです。これまでシエラレオネ共和国において私たちが実施してきた、ウィラー小学校建設・100校4万人への性教育・66名の10代シングルマザーへの復学支援等の達成実績が社会的に広く認められ、表彰にいたりました。

アラジがシエラレオネで長年続けてきた取り組みが認められたことを、大変光栄に思います。

これも日頃から温かく支えてくださる皆さまのおかげです。
心より感謝申し上げるとともに、これからもアフリカ・シエラレオネに希望を届けるべく、活動を続けてまいります。

引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

(投稿)スタッフ:間部洋子

(2025年4月17日)代表下里第9回出張記録-現地スタッフ研修を実施/≪7日目≫

2025年4月17日

こんにちは。

いつもアラジを応援・ご支援いただいている皆様、誠にありがとうございます。アラジ代表理事の下里夢美です。

アラジ代表下里と10代シングルマザー復学支援を受ける女の子

2025年2月12日~2月28日にまでの16日間、私たちが事務所を構え活動するシエラレオネ共和国へ9度目の出張に行ってまいりました。3月1日から開始のラマダンを避ける形での渡航となりました。

日本人だけがなんだかコンビニに見えてしまうシエラレオネの入国ゲート

17歳の時に、テレビでシエラレオネの貧困について知り、衝撃を受けたことで国際協力活動を志し、一時も熱が冷めることがなく16年が立ちました。気が付けば9度目の渡航です。

今回は、「世界の人々のためのJICA基金」でのJICAとの協働プロジェクト実施がメインの渡航となりましたが、そのための管理業務に係る調整も含め、16日間の出張に行ってまいりました。

毎度、日本では考えられないハプニング満載の出張ログを、今回は詳しくHPやSNS等に掲載することにいたしました。

ぜひ、楽しんでご覧いただけますと幸いです。

また、皆様の支援がどのように使われているかも、合わせてご確認いただけますと幸いです。

2月18日(火)出張7日目

シエラレオネに到着し、首都フリータウンから300km離れた事務局のあるケネマまでやってきた1週間後、やっとサポートを届けるシングルマザーの女の子達に対面することができました。

はるばるバイクに乗って村からやってきてくれた子もいます。

この日は、約3年間、サポートを届けている、アリスとジェネバの2名に、サポートを受けるきっかけを改めて聞いたり、サポートを受けて生活がどのように変わったかをヒアリングすることができました。

アリスは現在18歳。アラジのサポートを受け学校に戻ってから3年がたちます。

16歳のときに妊娠し、今は2歳になる女の子・パトリシアの母親です。パトリシアの世話は主にアリスの母親がしており、アリス自身は高校3年生として、おばさんの家から学校に通っています。

妊娠がわかったのは中学1年生のときで、今は高校1年生とのこと。子どもの父親は当時18歳で、経済的なサポートは受けられず、貧しい家庭で育ったために、出産後は自分が勉学を諦めるしかないと思っていたそうです。

子どもの父親は、出産後はときどき子どもを見てくれるそうです(本当に「ときどき」だそうです…)。

好きな科目は数学、理科、農業。

将来は看護師になりたいと話してくれました。

アリス(当時16歳)と娘のパトリシア

ジェネバは現在21歳で、3歳の女の子・マミを育てています。18歳、中学2年生のときに、別の学校の高校2年生(当時25歳)との間に妊娠しました。

彼の家を訪ねたこともあるそうですが、彼は完全に逃げていて、会うことはできませんでした。妊娠して3ヶ月ほどで学校を辞めました。恥ずかしくて、友達にも話せなかったそうです。

アラジのサポートで、毎月200リオン(約1,500円)を受け取ってもう2年になります。給付金を、学校へ行くための交通費に使ったり、ランチ代金に使ったりして、皆と同じように学校に行くことができていると話してくれました。

ただ、昨年2024年から、Afrimoneyを使って支援金が電子マネーで送られてくるため、現金引き出しのために、手数料で7リオン引かれてしまうのが困る、という風に話してくれました。

しかし、事務局にモタリングのために来る往復の交通費が24リオンかかるとのことで、「毎月ここまで現金を受け取りに来るのに往復24リオンかかるけど、最寄りのAfrimoneyで支援金を引き出したら毎月手数料の7リオンしかからないんだよ、事故に遭うリスクも減るよ。あなたにあんまり会えなくなるけどね」と話すと、ようやく納得してくれたようでした。(現地スタッフの説明不足なことが少々浮き彫りになりました…)

将来は銀行員になりたいとのこと。まだ21歳。これから何にでもなれる年齢なので、勉強を続けてほしいと声をかけました。

ちなみに、ジェネバは私のことを18歳だと思っていたらしく、その場にいた現地人スタッフ全員が爆笑していました…。

ジェネバ(当時16歳)と娘のマミ

次回は

日々頭を抱える現金管理について記録に残していきます…

こちらの現金の束は、約5,000円です…

(投稿)下里夢美


(2025年4月11日)代表下里第9回出張記録-現地スタッフ研修を実施/≪6日目≫

2025年4月11日

こんにちは。

いつもアラジを応援・ご支援いただいている皆様、誠にありがとうございます。アラジ代表理事の下里夢美です。

アラジ代表下里と10代シングルマザー復学支援を受ける女の子

2025年2月12日~2月28日にまでの16日間、私たちが事務所を構え活動するシエラレオネ共和国へ9度目の出張に行ってまいりました。3月1日から開始のラマダンを避ける形での渡航となりました。

日本人だけがなんだかコンビニに見えてしまうシエラレオネの入国ゲート

17歳の時に、テレビでシエラレオネの貧困について知り、衝撃を受けたことで国際協力活動を志し、一時も熱が冷めることがなく16年が立ちました。気が付けば9度目の渡航です。

今回は、「世界の人々のためのJICA基金」でのJICAとの協働プロジェクト実施がメインの渡航となりましたが、そのための管理業務に係る調整も含め、16日間の出張に行ってまいりました。

毎度、日本では考えられないハプニング満載の出張ログを、今回は詳しくHPやSNS等に掲載することにいたしました。

ぜひ、楽しんでご覧いただけますと幸いです。

また、皆様の支援がどのように使われているかも、合わせてご確認いただけますと幸いです。

1日目~4日目の出張記録はこちら↓

5日目の出張記録はこちら↓

2月17日(月)出張6日目

いよいよケネマ県にあるアラジの現地法人JaSiLe Foundationでの業務がスタートしました。事務所につくと、スタッフのファティマタ(右)とインターン生のヤカ(左)と再会!

昨年に個人の方から大きなご支援があり、新しいPCと、高品質のタブレットを1台購入することができました。現地で利用するデバイスの品質は、スムーズな業務遂行に欠かせません。ご支援のおかげで、今回の出張で、タブレットやPCの使用方法のレクチャーをさらに進めることができました。

↓こちらは、新しいタブレットで撮影した写真(喜ぶピディーア)。

なかなか高画質です!!

午前中は、街でプリンターを購入することになりました。

以前から、事務所にプリンターがないために、ピディーアがバイクを走らせ、印刷屋さんまで足を運んでいたのです。そこで、プリントができるまで順番を待ち、レシートが出てくるまでに、30分~1時間待つことも珍しくありません。

また、11月~4月頭まで、乾季のシエラレオネ、そしてここケネマでは電線網からの電気は一切来なくなり、変わりに、家庭用発電機を利用したオイル発電に頼らざるを得なくなります。

そうすると、カラーコピーが1枚70円以上してしまうために、今後は業務効率化を図るために、プリンターの購入が必要だと判断しました。(ちなみに、レストランやその他電気を用いるあらゆるビジネスシーンで、乾季は割り増し料金になります)

日本では、ネットショップ等で購入し、次の日に到着を待つ。クレジットカード決済のために、レシートもPDFで保存して…となりますが、ここシエラレオネではそういうわけにはいきません。まず、プリンターのある店を探すのに、RPGゲームのように人づてに街を探しあるかなければなりません。

やっとプリンターが売っているというお店に辿りつくも

  • プリンターが稼働するかどうかその場でPCを開いて確認
  • インクを購入
  • 用紙を購入
  • インクと本体を、助成金からの支出と現地法人からの支出にわけるために、レシートを2枚用意

等の確認作業のために、プリンターが購入できるまでに2時間も経過してしまいましたが、エアコンのない乾季のシエラレオネは平均気温が35度ほどで、さっそく体力をもってかれました。

その後は、近くのレストランでスタッフ全員とランチタイム。

お料理が来るのを待っている間に、みんなに趣味で描いている絵をプレゼントしました。

ちょうどバレンタインの時期のため、日本で購入したピアスもプレゼント

ランチ後に今後の予定を確認し、この日は恒例の不正防止研修をして解散しました。

アラジの不正防止研修は、日本人スタッフが出張時に必ず実施し、現地人スタッフと共に読み合わせをすることになっています。

16Pある不正防止研修のテキスト内には…

  • 勤務についての注意点
  • 受益者との交流について(受益者とSNSの交換をしてはならない、受益者の容姿について言及しない)等
  • 子どもを守るためのチャイルドセーフガーディングポリシーについて
  • 業務上の諸ルールについて(レシートの管理や、連絡事項)
  • 不正が発生した際の対応について

等についてが明記されています。

不正防止研修は一度きりではなく、3か月に1度など、組織の文化として定着させると同時に、不正の起こらない仕組み作り(例えば、給与支払いや現金給付支援を電子マネー化するなど)が不可欠です。

今後もアラジは、皆さまのご寄付を最大限に活用して、事業を進めてまいります。

次回、いよいよ

10代シングルマザーの女の子たちと再会!

(投稿)下里夢美


(2025年3月18日)代表下里第9回出張記録-首都から300km離れたケネマへ~≪5日目≫

2025年3月18日

こんにちは。

いつもアラジを応援・ご支援いただいている皆様、誠にありがとうございます。アラジ代表理事の下里夢美です。

アラジ代表下里と10代シングルマザー復学支援を受ける女の子

2025年2月12日~2月28日にまでの16日間、私たちが事務所を構え活動するシエラレオネ共和国へ9度目の出張に行ってまいりました。3月1日から開始のラマダンを避ける形での渡航となりました。

日本人だけがなんだかコンビニに見えてしまうシエラレオネの入国ゲート

17歳の時に、テレビでシエラレオネの貧困について知り、衝撃を受けたことで国際協力活動を志し、一時も熱が冷めることがなく16年が立ちました。気が付けば9度目の渡航です。

今回は、「世界の人々のためのJICA基金」でのJICAとの協働プロジェクト実施がメインの渡航となりましたが、そのための管理業務に係る調整も含め、16日間の出張に行ってまいりました。

毎度、日本では考えられないハプニング満載の出張ログを、今回は詳しくHPやSNS等に掲載することにいたしました。

ぜひ、楽しんでご覧いただけますと幸いです。

また、皆様の支援がどのように使われているかも、合わせてご確認いただけますと幸いです。

1日目~4日目の出張記録はこちら↓

2月16日(日)出張5日目

いよいよこの日は、首都フリータウンから、約300km離れた事務所のあるケネマまで向かう予定です。

昨日に急遽きまった予定なのですが、昨日Garaの布を購入した際に、Gara布生産地であるマケニによってから事務所のあるケネマに行くことになりました。行きつけのGaraのお店のおば様が、布の生産地に妹が住んでいるそうで、行き方を教えてくれていたのでした。

下記のGoogleマップ上では、マケニによってからケネマにそのまま行けそうですが、マケニからケネマに抜ける道は塗装されていないオフロードのため、高速道路の3倍の時間がかかってしまいます。そのため、早朝に出発し、マケニは完全に寄り道するかたちで、Gara布生産地によってからポートロコ側に一旦戻って、ケネマに向かうルートで移動しました。


プランテーンという大きいバナナのチップスを売っているお姉さん
プランテーンチップスを食べるために日本から岩塩を持参している
車ごしに、キャッサバを売っていたお母さんの押し売りが強すぎて全部買ってしまった(現地人スタッフピディーアの奥さまにプレゼントしました)
カシューナッツ!

シエラレオネにはいたるところに検問所があります。


検問所は、ロープにボロ布がまかれているもので通せんぼされていることが多いです。

こういった↓定員オーバーのお兄さんたちも、検問所の前でおりて、検問所では徒歩で移動し、検問所を過ぎてまた乗り込めば怒られない…という現状はこのようなシステムのようです。笑


検問所では、警察官からどこへ行くのかと質問されたり、免許証やNGOライセンスを見せることを要求されたり、ビザを見せたりというひと悶着があります。


一昔前は、通行する度に賄賂を請求されたりもしましたが、現大統領は世界汚職ランキングの順位をあげて海外からの投機的機会を狙っているために、2018年に賄賂撲滅キャンペーンが全国で発令され、それ以降に道端や空港で賄賂を請求されることは、ほぼありません。

一方で、先日にギニア大使館の車に大量の薬物が積まれていた事件や、危険な違法薬物クッシュの流行、また子どもの人身売買等もあり、検問所は一応に、そういった事件を未然に防ぐためにあります。

(※ちなみに、ケネマで街から地方へ行くための検問はすべて我らが現地人スタッフピディーアの顔パスです。以前に、日本の皆様からのご支援でコロナ感染症対策緊急支援を実施し、その際にケネマ県のすべての人が移動する検問所に、私たちのロゴ入りの手洗いバケツと石鹸を提供したために、地元警察とは友好的な関係を築いております。)

いよいよマケニの検問所まで差し掛かりました。今回立ち寄るマケニは初通行。ドライバーライセンスをみせ、何やら警察官が集まってきて話しています。

「賄賂を請求されたらどうしよう…」

と不安に思っていると、なぜか【仕事終わりの警察官】が1人いるので、その人を車にのせて家まで送るように言われました。


さも、普通のこと、と言わんばかりに私たちの車に乗ってくる警察官。

さ、最新のiPhoneや…。

名前を聞くと、この人の名前もアラジさんでした。
(シエラレオネにアラジさんはたくさんいます)

その警察官が、Gara布を生産している場所まで連れて行ってくれるらしいとのことです。

それはありがたいのですが…

そして、数分後…

ここがGara布の生産地だという場所に辿り着きました。


アラジさんという警察官は、「Thank you!」と笑顔で私たちの車からおりて、さっそうと歩き出し、気づいたら消えていました…。

そこでは、今まさにGara布が染められていたので驚きです。

生産者の皆さんに挨拶をすると、最初は「写真をとられたくない」「手染めのプロセスは教えたくない」という皆さん。


「中国人が昔、プロセスを見学にきたので、快く教えたら、デザインを真似された。今はプリントの安価な布が市場に出回っていて、シエラレオネのGaraは消滅しそうだ。私たちの収入も減っている。」

と教えてくれました。

私たちはライセンスも持っていて10年間も活動している日本のNGOであり、Gara布を守るためにきた、と何度か辛抱強く伝えると、最終的には心よく見学に応じてくれました。

ここで、大量にGara布を購入させていただき、今後も一緒にGaraを守りたい旨を伝えました。

最終的に仲良くなり、写真撮影の許可をいただきました。またプロセスも一通り見せていただくことができました。

また、Garaが売れることで、私たちがサポートを届ける10代で出産した女の子がもう一度学ぶための支援にもなることを伝えました。

そして、最終的には、私の名前が印字されている布をプレゼントしたいと言ってくれました!
すっかり温かく迎え入れてくれた皆さんに、感謝です。

日本へ帰国する際に、またマケニによることを約束しました。

そして、約300km離れたケネマ県へ向かいます。

300kmの道のりを経て、ケネマ県にある一番大好きなロッジに辿り着きました。

今回はJICAとの協働プロジェクトでの滞在ですが、JICA指定の安全な宿泊先であるとことが認められていたので、今回もなじみ深いロッジに泊まることができました。スタッフが本当にいい人たちで信用できます。

ロッジの食堂で一人夕食を食べていると、隣で食事をしていたグループの方が、ワインとおつまみを分けてくれるというハートフルな出来事がありました。

小さな幸せを見知らぬアジア人と、一緒に分かち合う

それがシエラレオネという国に住む人々なのでした。

次回、いよいよ

10代シングルマザーの女の子たちと再会!

(投稿)下里夢美


(2025年3月11日)代表下里第9回出張記録-29時間のフライトを経て~≪1日目~4日目≫

2025年3月11日

こんにちは。

いつもアラジを応援・ご支援いただいている皆様、誠にありがとうございます。アラジ代表理事の下里夢美です。

アラジ代表下里と10代シングルマザー復学支援を受ける女の子

2025年2月12日~2月28日にまでの16日間、私たちが事務所を構え活動するシエラレオネ共和国へ9度目の出張に行ってまいりました。3月1日から開始のラマダンを避ける形での渡航となりました。

日本人だけがなんだかコンビニに見えてしまうシエラレオネの入国ゲート

17歳の時に、テレビでシエラレオネの貧困について知り、衝撃を受けたことで国際協力活動を志し、一時も熱が冷めることがなく16年が立ちました。気が付けば9度目の渡航です。

今回は、「世界の人々のためのJICA基金」でのJICAとの協働プロジェクト実施がメインの渡航となりましたが、そのための管理業務に係る調整も含め、16日間の出張に行ってまいりました。

毎度、日本では考えられないハプニング満載の出張ログを、今回は詳しくHPやSNS等に掲載することにいたしました。

ぜひ、楽しんでご覧いただけますと幸いです。

また、皆様の支援がどのように使われているかも、合わせてご確認いただけますと幸いです。

2月12日(水)出張1日目

いよいよ9度目渡航がはじまります。成田空港を20時半に出発し、29時間かけてシエラレオネのルンギ国際空港に、一切の飛行機の遅延なく、すべての預け荷物と一緒に入国することが目標です。これまでの経験上、飛行機の接続失敗は50%、預け荷物の紛失は30%の確率で起こっています。

無事の到着は神に祈るしかありません。

預け荷物は、23kgまでのスーツケースを2個預けられるということで、重さ調整するために、成田空港の計測器と格闘するハプニングもありましたが、無事にチェックイン。

成田空港を出発し、2時間ほどかけてまずは韓国に向かいます。なんと、機内食にキムチが出たので思わず撮影してしまいました。

まずは韓国インチョン空港に到着し、乗り降りする乗客を待ちますが、セキュリティチェックのために途中でおろされます。

セキュリティチェックを受け、トランスファーエリアを一周して、また同じ飛行機に戻り、出発すると、2度目の機内食でまた、キムチ!

おいしくいただきました。(みんなで食べれば怖くない)

現在服用しているマラリア予防薬のビブラマイシン。(2年~3年で薬が効かなくなるために、薬の種類が変わります)アフリカ到着1日前から飲み始めます。

2月13日(木)出張2日目

29時間かけてシエラレオネに行くというのは、実はかなりの最速ルートです。

成田→韓国→エチオピア→ガーナを経て、シエラレオネに到着するのですが、乗り換えは各1時間しかありません。毎回、着陸する前に、席を前の方に移動させてもらい、飛行機のドアが開いた瞬間に次の飛行機のゲートまで全力で走ります。だいたい次の行先を叫んでいる空港職員がいるので、優先順路を走り抜けなければなりません。笑 ここで悠長に歩いていると逆に「何をのんびりしてるんだ」と怒られます。笑 

そのため、スムーズにいけば早く着きますが、一つでも遅れるとその先の飛行機はすべてロストしてしまいます。また、逆にちゃんとスムーズにいってしまうと、預け荷物が次の飛行機に間に合わず、スーツケースをロストしてしまう可能性が高くなります。そのため…西アフリカへ行くために最短で到着するルートはあまりお勧めせず、経由地で入国し、1泊しながら行くのがおすすめです…日本人はだいたいどこの国でもビザなしで入国できるので…(1か国乗り換えの飛行機ももちろんありますが、航空券代金だけで往復70万円くらいしてしまいます…!)

さて、無事に、飛行機の遅延はなく、シエラレオネ「ルンギ国際空港」に辿り着きました。嫌な予感は的中し、個人用のスーツケースを紛失してしまいました。「エチオピアにあるかもしれない」ということのようです。前は、アメリカに行った人と交換されてしまっていたので、取り戻すのに1週間かかりましたが、明日無事につきますように…。仕事用スーツケースは幸い届いていたので、仕事はできます!逆だったら、好きな国にただ旅行に来ただけになってしまうところでした…。

ルンギ国際空港は、首都フリータウンとなんと10km以上の海で隔てられており、時たま「世界で一番不憫な国際空港」と言われることも…。昨年に新設されたばかりの新しい空港で、西アフリカ初のすべての電力をソーラーパネルファームからまかなうエコな空港です。(ちなみに空港を上からみると飛行機の形をしています)

首都フリータウンまで行くために、シーバードという船(45ドル)に乗らなければなりません。(もしくはシーバードか、上の地図のようなタグリン乗り場からのフェリーを利用)

持っているドル札を両替。現在、1ドル23リオン~24リオンまで、リオン安が進んでおりました。(2016年最初の渡航人には、1ドルは6リオンでした)

シーコーチのチケットを無事購入。(シエラレオネでは日本円は両替できず、100ドル札以外の50ドルや20ドルは両替レートが悪くなるので、注意です!)


そして、荒れ狂う海を越えて、首都フリータウンへ!

長時間のフライトで寝不足な中、船酔いすると大変です。波と一緒に体を上下に動かすと船酔いを回避できます。私は船で一緒になった方にいつも教えているのですが!私以外の人はかなり船酔いで苦しんでいました…。

夜便は、波が高すぎる時などは救命用具をつけることもあります

シーコーチの首都側のターミナルで我らが現地スタッフピディーアが車で迎えにきてくれました。

この日は、個人用スーツケースがなかったために、到着したホテルで石鹸1個で過ごすことに…涙

お世話になった石鹸。

次回からは、手荷物に1泊耐えられる分の着替えやシャンプー類は入れておきたいなと反省しました!

2月14日(金)出張3日目

出張3日目は、首都フリータウンで業務準備です。

業務用の携帯通話と仕事用Wi-Fiの設定をするために、街に向かいました。

個人用iPhoneにSIMが入らないために、Orangeという携帯会社でポータブルwifi1か月使い放題を契約しています。(ポータブルWi-Fiは壊れやすく、こちらは現地オフィスのものとあわせると7台目です)

値段は、通信速度10Mbpsで1350Nle(約9,300円)ポータブルWi-Fi本体の値段は6,000円程度です。
日本ではだいたい通信速度80Mbps~200Mbpsが常時くらいで、1か月使い放題の値段は約半額ですね。
インターネットの利用料というものは後進国になればなるほど割り高に比例するそうです。

ここでもアフリカで活動することの厳しさを実感します。

その後、今回の出張の目的であるJICAとの協働プロジェクト実施のため、JICAフリータウンオフィスに訪問しました。今回、私たちが実施する中高生への性教育について、オフィスを構えるケネマ県だけではなく、周辺3県にも活動を拡大するために、JICAと協働で事業を実施させていただきます。

安全対策ブリーフィングを受け、活動の根幹となるアドバイスを多々いただき、大変有意義な時間になりました。

夕方は、空港職員より「君のスーツケースが届いているよ!」との電話があったため、そのままシーバードターミナルへ。船着き場で、船を待つも、一向にスーツケースはやってきません。

「次の船で来る」という空港職員からの電話を信じ待つものの、次の船でもそのまた次の船でも、スーツケースは到着することはなく、結局、4時間外で待つことになりました。

ここでイライラしない方法は、「パソコンを開き仕事をしまくる!」ことです。
シエラレオネ出張後に控えていた、筑波出張のホテルの手配や大量にある日本側の仕事を全て終わらせることができたために、無駄な時間を過ごした気にはならず、やらなきゃと思っていた仕事がはかどりました!たまには、海を眺めながら仕事をするのもいいもんですね。

2月15日(土)出張4日目

出張4日目。朝ごはんを食べた後に、首都フリータウンにオフィスを構える、会計事務所の会計士マムドさん(写真右)とホテルでミーティングしました。

私たちのオフィスはケネマ県という首都から300km離れたほぼリベリア共和国側にあるために、行政登録等の手続きでしょっちゅう首都まで来ることはできません。シエラレオネ共和国では、現地法人JaSiLe Foundationを構えておりますが、行政手続きや税務処理のすべてを担う会計士はフリータウンにいるために大変ありがたいのです。

この日のミーティングでは…

  1. NGOライセンスの次回の更新について(SLANGO/MoPED/City Counsil等での更新が必要)
  2. 車両保険/スタッフ2名の健康保険/オフィスの火災保険等について確認
  3. スタッフ給与を電子マネーで支払うため、10代シングルマザー復学支援の電子マネー送金で利用するAfrimoney口座への入金を、口座間送金するために、新しい銀行口座を開設予定。そのための書類一覧を一緒に確認

等の話し合いを行いました。

ちょうど前日がバレンタインのために、会計士の奥さんにバレンタインギフトとして日本から買ってきたピアスをプレゼントしました!(皆さんイスラム教なので、必ずピアス穴が開いている)


その後は、街に移動し、シエラレオネの伝統手法で染められたGara布を調達しに行きました。

私たちアラジは、シエラレオネの伝統布Garaをネットショップ等で販売し、シエラレオネの魅力ある商品を販売することで、シエラレオネの認知を高めたり、収益で支援活動を推進したり等の活動もしています。Gara布は、中国産のアフリカ布に埋もれて、見つけるのも困難なくらいですが、シエラレオネの貴重な無形文化遺産です。

首都フリータウンの布市場は、マラマ・トーマス・ストリートにあります。
行きつけのGaraのお店のおば様が、布の生産地に妹が住んでいるそうで、行き方を教えてくれました。

シエラレオネの伝統布Gara(ガラ)

その後に、布の仕立て屋イブラヒムさんのショップへ


今回は、シルクのGara布で男性用の短パンを注文し、次回の大量注文のテストをすることになっています。

ここで、私たちは、長年の付き合いであるテーラーイブラヒムさんに、あまりにも時間がなく、明日の早朝にケネマに出発するために、明日までに仕上げて欲しい!と無理なお願いをしました。(本来はスーツケースが届いていれば昨日に発注できている予定でした…)

イブラヒムさんは、明日までに仕上げると約束してくれ、さらに私に対して、値段は指定できないよ、いくらで作りたいか言ってみて。と値段の交渉すらさせてくれません。(きちんと公正な仕立て代金をお支払いしました)

この日イブラヒムさんは、朝方までずっとお店で作業し、その場で寝て私たちの到着を待っていてくれました。

ケネマ県に向かう道中、壮大なマングローブの景色を眺めながら、テーラーイブラヒムさんのような、こんなにも愛情深いシエラレオネの人々に大きく支えられて、私たちは活動できていることを実感しました。

兼ねてからつくづく思うのが、この国でお世話になった人、かけがえのないスタッフ、大切だと思う友人らができても、彼らの最後の時に私は立ち合えるのかなということです。でもイブラヒムさんがこの世からいなくなるときには、日本から飛行機にのって、彼の最後のセレモニーに参加したい。

29時間あれば、きっと間に合うはず。

次回、いよいよ

ケネマ県での活動スタート!

(投稿)下里夢美


(2021年1月28日)2月12日(金)JICA PARTNER事務局主催の国際協力キャリアフォーラムに代表下里が登壇します

2021年1月28日

2月12日(金)JICA PARTNER事務局主催の国際協力キャリアフォーラムに代表下里が登壇します。

お時間のある学生さんや、国際協力のキャリアの一つの参考として、ご興味のある社会人の皆様はぜひご参加ください。

2/12(金)開催 国際キャリアフォーラム(オンライン開催)サステナブル社会実現に向けたキャリア形成とは?<国際協力とフェアトレード>

開催日 2021/02/12 18:30〜19:50予定
開催地 東京都
会場名 全国(オンライン開催のためご自宅から参加可能)
会場への交通アクセス
お申込みいただいた後、開催前日までに参加方法について詳細のご案内を差し上げます。

詳細はこちらのページをご覧ください