(2019年5月4日)テーラーインタビューを行いました!アフリカ布服開発・販売事業の進捗

2017年12月上旬にシエラレオネ共和国の首都・フリータウンのフォートストリートで起こった大規模な火災。NPO法人アラジが活動する地域の一帯が巻き込まれ、多くの住民が家を失いました。

下里がはじめての渡航当初からアフリカ布に魅了され、オーダーメイドでドレスを制作してもらっていらテーラーショップが軒を連ねるエリアが、まさにフォートストリートで、多くのテーラーが財産全てを失いました。

そこで、2017年より5店舗のテーラーショップのオーナーと弟子を含む15名と一緒に、アフリカンプリントの布を使用した日本でも販売できる商品の開発と研修プログラムをはじめ、テーラー生活向上プロジェクトを行ってきました。(クラウドファンディングでご支援いただいた皆さまありがとうございました)

今回の活動報告は、2018年下半期12月に渡航したスタッフの瀬谷より、テーラーショップのオーナー、スフィアンと弟子メアリーの2名のインタビューと活動報告をまとめたものです。ぜひご覧下さい。

テーラースフィアンのインタビュー

写真右がスフィアン(Suffian)

左が弟子のメアリー(Mary)

●スフィアンさんについて教えて下さい

テーラー歴は15年だよ。4年前に以前いたところに教会を建てることになって今の場所に移動してきたんだ。奥さんと娘3人(中学3年生、小6、小4)がいて、つい最近は8カ月の息子モハメドが産まれたよ。女の子だったらYumeってつける予定だったんだけどね。

●テーラーショップは順調ですか?

収入は月によってばらつきがあるから何とも言えないけど…。クリスマスシーズンは仕事もたくさん来るからもう少したくさん稼げるけど、1~2月は一気に仕事が減って半額くらい売り上げが下がってしまうんだ。

●生活に一番お金がかかることは何?

子供の教育費だね。長女がハイスクールに通っていて下二人も小学校に通っているから結構大変だよ。

●火災の時はどんな状況でしたか?また政府の対応は?

ちょうど三年前だね。当時は本当に大変だったよ。火事の最中は火が広がらないようにみんなで壁を立てて抑えたりしたね。結局全部燃えちゃったけど。

政府によって火事から6か月間(6か月後の一定期間?)医療費が無料になったけど、それ以外の援助は全くなかったよ。決して十分な支援ではなかったね。地域のコミュニティの人たちと協力し合って家を再建したんだ。

●弟子を雇った感想は?

教えるのは楽ではないけど、来てくれてうれしかったね。メアリーもプリンセスも今はまだ洋服は作れないけど、いつかは自分たちで作っていけるように指導していかないとね。

●アラジ(代表下里)と一緒に商品開発するようになった後の生活の変化について教えてください

もちろんこれまで以上に稼げるようになってハッピーだよ。Yumeが来る前は家計が厳しくて子供の給食費も十分に出せなかったんだ。Yumeのおかげで今は子供たちの給食費にも前よりお金をかけられるようになったよ、本当にありがとう。

●スフィアンさんの将来の夢は?

もっとたくさんの服やドレスを作っていきたいな。まだ今の収入にも満足はしてないからね。子供の成長のためにもっと稼ぎたいんだ。きちんと教育させて子供が大人になった時にしっかり稼げるようにね。そしたら家も助かるし、未来の幸せにつながるでしょ。これからも家族みんなで幸せに暮らしていきたいよ。

メアリーへのインタビュー

●メアリーについて教えてください

今、23歳の学生よ。現在は実家を離れて一人暮らし中なの。両親と妹がいるわ。。平日は学校に通っていて、毎週金土にスフィアンの下で働いているの。学校の授業は本当に難しいわ。スフィアンのテーラーショップは、父親がスフィアンと知り合いで紹介してもらったの。テーラーの仕事に興味があって、勉強もかねてここで働くことにしたの。

●アラジからはじめて注文をもらったときはどんな感じだった?

Yumeからマスクを注文されて初めてお金をいただいたとき、すっごくうれしかったわ。私にとって初めての仕事で、初めての収入だったから。そのお金で自分用のドレスのためにラパー(布)を買ったわ。すごく気に入ってるの。

●師匠のスフィアンさんはどう?

普段はとても優しい。たまに怒るけど!笑 オーダーされた洋服を作成中にスフィアンからの指示を間違えちゃったときとかね。
(そのあとスフィアンが手直しして何とかなったそうです。)

●メアリーのこれからやりたいことや将来の夢はなに?

もっと学びたいな。学校の勉強もこの仕事についても。ドレス(ワンピース)が好きだから、まずはここでしっかり学んで、いつかは自分の店を構えてお客さんのためにたくさんドレスを作りたいわ。

 

 

 

インタビューに答えてくれたお二人どうもありがとうございました!

スフィアンは最近プリンセスという弟子をもう一人雇ったそうで、男性テーラーが割りと多いシエラレオネで、女性たちももっとがんばってくれたらいいなと思いました。

田舎の出身で内戦中は友達が二人、目の前で撃たれて殺された経験をしたというスフィアン。首都に引っ越してきたときに、両親の稼業である大工を継ぐように言われたが、テーラーの仕事が本当に魅力的だったため、テーラーになったそうです。

日本でテーラーたちのつくったドレスを着ているお客さまの写真をみせたり、感謝の手紙を届けると、本当に彼らはよろこんでくれるのですが、自分の好きなことを自身をもって働ける環境は素晴らしいですね。

この後、第7回現地活動報告でもお伝えしようと思いますが、フォートストリートのほとんどの家で、建物の再建が終わろうとしています。これからは、「生活向上支援」とい形ではなく、フォートストリートのテーラーたちとは、日本で販売できるものを協力して開発・制作する、WIN-WINな関係になれればと思っています。

スフィアンが制作した服はWEBショップで購入可能です!

シエラレオネで制作したアフリカ布の商品はWEBショップで購入可能です。

全品作った人の顔がわかるWEBショップになっています。ぜひ覗いてみてください。

 

 

(投稿)下里夢美