3分でわかるシエラレオネ紹介シリーズ「鉱物編」Vol.13
NPO法人アラジを日ごろ支えてくださっている皆様、誠にありがとうございます。私たちNPO法人アラジは、シエラレオネ共和国において、困難な立場に置かれている子どもや大人たちへ、様々な支援事業を日々実施しています。
今月も、支援者の皆様に、3分でわかるシエラレオネ紹介をお届けします。
1.豊富なシエラレオネの鉱物資源
シエラレオネは、ダイヤモンド、ルチル、ボーキサイト、金のような鉱物資源に恵まれています。ダイヤモンドは産出国トップ10に入り、ルチル埋蔵量も世界トップクラスです。
他にも、鉄鉱石、リモナイト、プラチナ、クロマイト、ジルコンなどが豊富で、主に南部の高原地帯で採掘されています。
鉱業関連の仕事に従事する労働人口は 2020年の時点でわずか1.3%ですが 、労働者一人当たりのGDPは全体の13%を占め、 さらに輸出総額の58%を支えるなど、 シエラレオネの経済に大きく貢献しています。
2.戦争と略奪を引き起こした「ブラッド・ダイヤモンド」
1930 年頃シエラレオネでダイヤモンドの鉱脈がイギリス植民者によって発見されて以降、約900万カラットの高品質ダイヤモンドが採掘されて、欧米諸国まで運ばれました。しかし、その富はシエラレオネにほとんど還元されず、現在でもシエラレオネ人は貧困に苦しんでいます。
1991年に開始した内戦は外国資本の撤退につながり、鉱業も衝撃を受けました。11年にわたる内戦中、反政府軍の武器調達の財源として取引されたダイヤモンドは約7万人の命を奪いました。そのため、 ダイヤモンド は「ブラッド・ ダイヤモンド 」、または「コンフリクト・ ダイヤモンド 」と呼ばれました。
シエラレオネ内戦を舞台とした、レオナルド・ディカプリオ氏の主演映画『ブラッド・ ダイヤモンド(2007)』も話題となり、後に、アカデミー賞を受賞しました。
3.鉱業規範化ための工夫
シエラレオネ政府は2008年に環境保護庁 、2012年に国家鉱物庁を設立し、2009年に「鉱山鉱物法」、2018年に「採掘産業収益法」を制定、鉱業の透明性と説明責任を強化しました。
また、ダイヤモンドに対して、売買、取引、輸出入、および取引用のダイヤモンドの切断、研磨、破砕、セッティングを行うためのライセンスを発行するための「ダイヤモンド切断・研磨法」が2007年に施行されました。
そして、2006年に多国間協力の枠組みである「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」に加入し、鉱業部門における、ガバナンスと収益管理の向上を実現を目指しています。
このように、現在でも日々、鉱業部門の発展にむけて、様々な取り組みがなされています。
いかがでしたでしょうか?
また、来月も、シエラレオネ3分紹介シリーズをお届けしていきます!
3分でわかるシエラレオネ紹介♪編集
下里夢美
魏思雨
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コロナ禍で世界の児童労働は増加傾向です。Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forwardによると、なにも対策しなければ、児童労働に従事する子どもの数は、2020年の1億6000万人から、2022年末には1億6890万人に増加する可能性があると言われています。
シエラレオネで8年間に渡り、教育支援活動を続けている私たちアラジは、今年4つのプログラムで、20,700名の子ども達への新たなアプローチを目指しています。アラジの仲間になっていただけませんか?サポーターの5つの特典も、ぜひご覧ください。
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(投稿)インターン 魏思雨