(2020年3月1日)学生スタッフ活動ブログVol.2「活動詳細レポートと、活動の際に苦労したこと」

(2020年3月1日)学生スタッフ活動ブログVol.2「活動詳細レポートと、活動の際に苦労したこと」

前回の記事⇒(2020年2月29日)学生スタッフ活動ブログVol.1「現地活動に参加したきっかけ」

2020年1月13日~2月28日までの約6週間(1.5か月)現地スタッフのシアとともに、NPO法人アラジ学生スタッフとして、現地活動を行った角田悠太です。

前回に引き続き、今回のブログでは、実際にどんな活動を行いどんな苦労や課題があったのか、活動報告を兼ねてご紹介していきます。

活動では以下の5つの事業を行いました。

(1)ポートロコ県 小学校教材支援

首都から車で2時間半、電気もガスもない森の奥深くにある2村の小学校「ンボロ小学校」と「マケレ小学校」。この二つの小学校には、充分な校舎・給食・トイレ等がないばかりか、日常的に子どもたちが学ぶ、教科書・ペン・ノートなども不足しています。

NPO法人アラジは、2016年から継続して、現在は2村の小学生200名に対して、教材給付支援を実施。子どもたちがどんな環境に産まれても、継続して学ぶことのできるチャンスを提供しています。

⇒活動詳細はこちら

この活動では、事前に小学校から必要なものをヒアリングし、町で教材を購入したものを両村の児童たちに直接渡してきました。以下は今回の教材支援の内容です。

マケレ村(児童約110名)
2020年1月:ノート、鉛筆、ペン、消しゴムチョーク、定規、黒板等を支援

ンボロ村(児童約80名)
2020年1月:ノート、鉛筆、ペン、消しゴムチョーク、定規、黒板等を支援

児童たちはペンやノートなどをもらうことができ大変喜んでいました。

ただ、現状の課題として、毎回支援してもらえると村の人たちが思ってしまっていることが挙げられます。私が初めて両村を訪れると、村の大人たちは、次は学校の校舎を建ててくれ、生徒たちが座る椅子を作ってくれなどと支援してもらえるのが当たり前かのようにお願いしてきました。

私は村の資源を活用すれば支援がなくとも、椅子の作成や、学校の校舎の建築は不可能ではないと村の様子を見て感じました。
何もかも支援してしまうと村の人たちの思考が止まり、すべて支援頼りになってしまうので、村にとって本当に必要な支援は何かを私たち側が見極めて進めていく必要があるのではないかと思いました。

現状として両村で教材を集めてくることは困難であり、教材は子どもたちの教育にとって必要不可欠なものであるため、引き続き支援を進めていきます。

(2)マケレ村、ンボロ村における貧困削減プロジェクト

2019年から準備を進め、マケレ村・ンボロ村において、現在、大人たちへの収入向上のための新プロジェクトを立案しています。そのパイロットとして、第1弾の支援モニタリングがスタートしました。

両村から選出した2グループに3,000,000Le(約3万円)を助成してビジネスの拡大、収入向上をはかり、同時に助成グループからの地域貯蓄も促すプロジェクトとなっています。

助成金を受け実際にビジネスを
新たにはじめた
ンボロ村グループの女性たち

滞在中は計4回のビジネス研修を終えた両グループのモニタリングを週一回行いました。

モニタリングでは…

  • 会計チェック
  • 今後のビジネスの予定
  • メンバーの人たちの収入は向上しているのか

などを確認しました。

新たな試みということもあり様々な改善点が出始めていますが、引き続きモニタリングを進め、正式なプロジェクトとして支援拡大できるよう、調整を進めていきます。

(3)フリータウン災害孤児支援

この支援事業では、2018年1月より、首都フリータウンで起こった大規模な土砂災害の影響で、両親を失い災害孤児となった子どもたちに、毎月里親宅への家庭訪問を通して、教育費を支給する奨学金給付支援に取り組んでいます。

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1月25日と2月22日の計2回、10名の災害孤児に家庭訪問を通じて支援を行いました。毎月子どもたちに200,000Le(約2,000円)を現金給付し、50,000Le(約500円)を、進学や急な医療費が必要となった場合の緊急時の貯蓄金として、NPO法人アラジが管理しています。

子どもたちの体調や学校の成績、病院のレシートなどの確認、しっかりと里親のもとで生活できているかどうかをモニタリングしました。子どもたちは皆元気で、人懐っこく、子どもが苦手だったのですが、克服できました。

また、現支援事業のスキームを通して、来年度からは新たに10名の災害遺児・孤児のサポートを拡大していく予定です。現地NGOドン・ボスコと協力して、支援拡大の調整も進めることができました。

(4)アフリカ布商品制作事業

首都フリータウンのフォートストリートで働く、火事で家を失った15名のテーラー(布の仕立て屋)と一緒に、アフリカ布を使ったテーラーメイド商品やアフリカ雑貨販売の事業を行っています。

テーラー一人ひとりの住居再建や、商品のクオリティ指導、継続発注を通して、フォートストリート全体の収入向上を目指しています。

⇒活動詳細はこちら

この1.5ヶ月間で、5ショップのオーナーの元で働く約15名のテーラーとともに、アフリカ布を使った商品約630点のオーダーと商品開発指導を行いました。今回は、商品制作に関するマニュアルも作成し・各ショップに配布、現状の課題点を解決していくことができました。

テーラーさん達が、なかなか締切り守ってくれない、指示と違う布で、違う商品を作っているなど…様々なトラブルが起こる中、なんとか一つ一つ丁寧に作業を説明し、全ての商品を制作、回収することができました。

商品はどれも素敵なデザインなので、ぜひwebショップをご覧ください!

アフリカ布雑貨Alazi オンラインストアはこちら

(5)新オフィス移転と、ゲストハウスの再オープン

今回、旧オフィスの移転に伴い、新オフィスの物件探しから始まり、59A Wellington Stにあったオフィスは37D Wilkinson Roadに移転しました。物件は、2019年12月から現地スタッフのシアが内見を開始し、約10件を周ってやっと契約することができました。

オフィスの移転作業は、日本のように、引っ越し業者などがないため、引越しするためのバンを手配したり、退去するオフィスの壁をペンキで塗ったり、大工を手配して修理してもらうなどを行いつつ、3月から再開するゲストハウス事業に向けての準備を行いました。

オフィスと併設しているゲストハウスは、無事に再オープンすることができました。シエラレオネに訪れた際にはぜひご利用ください!

⇒ご予約はこちらから

様々な活動を、同時進行で行うことは非常に大変でしたが、現地スタッフのシアとそれぞれ協力して、なんとか無事にオフィスの移転まで完了させることができました。

 

 

 

 

 

 

最後の活動報告ブログでは、活動を通して得たことや、シエラレオネに実際に渡航して感じた課題点などをご紹介していきます。

⇒次回の記事(2020年3月2日)学生スタッフ活動ブログVol.3「活動を通して得たこと・シエラレオネに渡航して感じた課題点」

 

(投稿:学生スタッフ:角田悠太)