Category "活動報告"

(2021年12月13日)ファンドレイジングチームメンバーのご紹介 No.1

2021年12月13日

アラジのファンドレイジングチームのメンバーをご紹介します!

NPO法人アラジをご支援、応援していただいている皆さま、誠にありがとうございます。

本日は、アラジの非常勤スタッフで、ファンドレイジングチームに所属する吉浦諒子(よしうらりょうこ)を紹介いたします。

自己紹介をお願いします!

こんにちは!

NPO法人アラジの非常勤スタッフの吉浦諒子です。

インターン一期生として活動した後、現在は非常勤スタッフとして活動しています。

普段はどのようなお仕事をされていますか?

JICA民間連携事業部で国内協力員として働いています。

ファンドレイジングチームにはどのようなきっかけで参加されたのですか?

JICA海外協力隊として活動する中で、国際協力分野における資金調達に興味を持ったためです。

ファンドレイジングチームではどのような業務を担当していますか?

アラジを支援してくださっている皆さまに応援メッセージの依頼をさせていただき、応援メッセージ画像を作成しています!

応援メッセージをお送りいただいた皆さま、誠にありがとうございます。

NPO法人アラジの公式Twitterに投稿しているので、見てみてください!

支援者の皆さまへメッセージをお願いします!

これまでの支援に加えて、男子中高生への教育プログラムという新しい挑戦を始めたアラジに、これからも力を貸して頂けたらこんなに嬉しいことはありません…!一緒にシエラレオネに教育を届けていきませんか?

NPO法人アラジでは、ファンドレイジングチームを中心に2021年12月10日から2022年1月20日まで、100名のマンスリーサポーターを募集するマンスリーファンディングを実施しています。

アラジへのマンスリーサポーター登録で、困難な状況でも勉強を諦めない子どもたちに、あなたの力をかしてください!

マンスリーファンディングのページはこちら

(投稿)スタッフ 宮川琳

(2021年12月2日)2021年度 10代のシングルマザー復学支援 中間報告書

2021年12月10日

本中間報告書は、2021年3月にケネマ県事業地で開始した「10代のシングルマザー復学支援」の活動報告をまとめています。

本プログラムは、2022年3月末までに「50人の10代のシングルマザーが復学」することを目標に掲げ、2021年3月に活動を開始しました。2021年5月には100人の月額寄付サポーターを募集するマンスリーファンディングキャンペーン「若年妊娠により退学を強いられた女の子【あと50人】に人生を変えるチャンスを届ける【100人の月額寄付サポーター】を募集しています!」により、目標を上回る107名の方にお力添えいただき、2021年12月現在、目標人数の約半数の22名の復学が完了しております。

本報告書では、10代のシングルマザーを取巻く社会的スティグマ、法的課題の歴史と現状、支援条件や毎月のモニタリング内容、今後の活動計画等についてまとめています。

※NPO法人アラジが使用する写真は、NPO法人アラジが定めるチャイルドセーフガーディングポリシーに遵守し、書面にて写真撮影の許可および広報媒体への使用の許可を得ています。

 1.NPO法人アラジとは

NPO法人アラジ(正式名称:特定非営利活動法人Alazi Dream Project)は、西アフリカのシエラレオネ共和国で、教育を受け続けることが困難な最貧困家庭の子どもに、教育の機会を届ける活動をする国際協力NPOです。

2014年に代表理事の下里夢美(しもさとゆめみ)により任意団体として創設、2017年よりNPO法人化しました。事業スローガンとして「最も困難な状況に陥る子どもと貧困家庭へ私たちが、最初のチャンスを」を、ビジョンとして「誰もが夢へ向かって努力できる社会の実現へ」をそれぞれ掲げ、日本とシエラレオネ共和国で活動を行っています。4年間で延べ1,100人に教育と就労の機会を提供してきました。

NPO法人設立から5期目を迎えた現在では、常勤スタッフ(有給)1名、非常勤スタッフ(有給)3名、登録ボランティア約80名、月額寄付サポーター207名となり、多くの方々のご理解とご支援をいただきながら、活動を継続しています。

事業地シエラレオネでは現在、2つの事業地(首都フリータウン・ケネマ県)の事務所に、現地スタッフ3名が在籍しています。

 2.シエラレオネ共和国とは

西アフリカの西部に位置するシエラレオネ共和国は、18世紀に奴隷貿易の産地として発展、奴隷制から解放された黒人たちの移住地として、1808年にイギリスの植民地を得て、1961年にイギリスから独立しました。

現在の人口は約790.7万人(2020年,世界銀行)で、国土面積は71,740 km²です。首都は、奴隷解放の意味を込めてフリータウン(Freetown)と名付けられています。公用語は英語で、ティムニ族、メンデ族、フラニ族など、多数の民族の共通語としてのクリオ語は、国民の9割以上に使用されています。宗教の内訳は、イスラム教6割、キリスト教3割、その他の土着宗教が1割となっています。日本とは距離にして約14,000km離れており、航空時間は約30時間と、物理的に距離が遠く、心理的・経済的交流が非常に限られた地域となっています。

現在、シエラレオネ共和国は後発開発途上国(*1 LDC : Least Developed Country)47か国に属し、SDGs(Sustainable Development Goals = 持続可能な開発目標)達成年の2030年以降も、後発開発途上国に残り続けるだろうと予測されています。1991年から2002年までの長きに渡る政府軍と反政府軍(RUF)との内戦では、多くの死者や難民を生み出すと同時に経済・教育・行政など様々な面に甚大な負の影響を及ぼしました。2016年のエボラ禍、2018年の都市部の土砂災害(1,000名以上が死亡)等も、同国の経済発展に大きな影響を与えています。

*1 後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)

 国連開発計画委員会(CDP)が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々。3年に一度LDCリストの見直しが行われる。規準は以下の通りである

(1)一人あたりGNI(3年間平均):1,018米ドル以下(2)HAI(Human Assets Index):人的資源開発の程度を表すためにCDPが設定した指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの。(3)EVI(Economic Vulnerability Index):外的ショックからの経済的脆弱性を表すためにCDPが設定した指標。人口規模、地理的要素、経済構造、環境、貿易のショック、自然災害のショックから構成。(参考:外務省HP

 3.これまでの活動

現在NPO法人アラジでは「農村部小学校定額給付支援」「都市部奨学金給付支援」「10代のシングルマザー復学支援」の主に3つの支援事業を、首都フリータウン、ケネマ県、ポートロコ県の3つの事業地で実施しています。

シエラレオネ共和国において、子どもがより経済的に脆弱な状況に陥る要因としては、主に3つのパターンがあげられます。1つは事故・病気・災害等で子どもが両親を失っており、親戚宅で里子として過ごしている場合、次に、子どもの保護者が初等教育を完了していないひとり親世帯で頼れる親戚が不在の場合、最後に学校設備が不十分な農村部で生活している場合等が考えられます。生きるため、また、学校に通い続けるために、月100時間以上の過度な家事、農業、兄弟の育児、売り歩き、物乞い、最悪の場合にはセックスワーク等の児童労働に従事する場合があり、大きな社会問題となっています。

両親から明らかな虐待を受けている場合や、ストリートチルドレン、災害・緊急時の保護・サポートはより充実していますが、上記にあげた「家族と過ごす子どもの貧困」は目に見えにくく、義務教育課程(中学校3年生まで)において、留年や退学を繰り返す要因にもなり、解決がより困難です。

現在NPO法人アラジでは、そうした「家族と過ごす子どもの貧困」の諸問題の根本要因を改善するべく、上記に掲げた3つの支援事業と啓発活動を実施しています。それぞれの事業が、児童労働や子育てなど、様々な理由で教育を受けることが困難な子どもの家庭に、教育機会を提供し、長い目でみた教育の成果を目指すものです。

活動の実績として、奨学金給付支援事業においては教育費の補助により受益者の留年率0%を達成、また小学校定額給付支援においては、未認証の小学校への初期設備の整備を担当しこれまで1校を現地行政へ引き継ぎました。現在、430名の子どもが毎月NPO法人アラジのサポートを受けながら、学校に復学しています。

 中間報告(2021年3月~2021年10月)

アラジ現地スタッフと受益者家族

 1.事業概要

「10代のシングルマザー復学支援」は、若年妊娠によって、初等・中等教育を中退している10代のシングルマザーが、再び教育の機会を獲得し、経済的な自立や夢への実現を後押しすることを目的とした活動です。

手に入らない避妊具や性教育の知識不足、性暴力などの望まない妊娠により教育を受ける機会を失い、パートナーが経済責任を果たさない10代のシングルマザーの女の子が、再び学校で学べるよう、毎月定額(約2,200円)の奨学金給付支援を行っています。

復学した女の子が教育を受ける様子

ケネマ県の事業地を主な活動地域とし、2022年3月末までに、新たに50名の女の子が復学することを目標に、支援を進めてまいりました。

 2.10代のシングルマザーを取り巻く現状

女性にとって「出産」は、全世界共通で人生最大のリスクです。

また、若年妊娠は、SDGsのすべての目標達成を困難にする脅威であるとも言われています。

ヒアリングを受ける受益者と赤ちゃんの様子

時にシエラレオネは「世界一お産の危険な国」と揶揄されるほど、出産が女の子の命を脅かしている国の1つです。特に10代の女の子は骨盤が未発達であるため、出産時のリスクが通常よりも40~60%高く、10代の女の子の死亡要因のうち「出産」が最も高い割合を占めています。

10代の母親から生まれた赤ちゃんは、死産または出生直後に死亡する可能性が非常に高いことも問題です。特に農村部で女性が出産に挑む時、病院まで歩いて2・3時間という地域も珍しくなく、医療補助の乏しい環境下における出産では、母子ともに出産時の死亡率は高くなります。

また、無事に出産を終えたとしても、母親が初等・中等教育を完了していないシングルマザーとなる場合、多くは経済的に困窮したり、病気の予防知識や手段がないために、子どもがマラリアや下痢性疾患などの病気にかかり、5歳までに亡くなってしまうケースは珍しくありません。

このように非常にリスクが高い若年妊娠ですが、シエラレオネにおいて10代の女の子が妊娠にいたるまでには主に4つの理由があります。

1)レイプなどの性暴力

シエラレオネの10代の女の子の約5.6%が、同意のない性交渉を経験したことがあると答えています。シエラレオネの伝統文化の多くは女性差別的で、女性が男性に同意をとることは容易ではありません。


2)学校で性教育が提供されていない

教育現場で充分な性教育がなされていません。シエラレオネのほとんどの学校には保健室がなく、また教員免許をもつ先生は全体の75%、女性教員は男性教員の5分の1程度しかおらず、同意のない性交渉を経験した女の子のうち6.4%が、男性教員からの性被害にあったと報告されています。


(3)家庭での性教育がタブーとされている

文化的・宗教的背景から、未婚女性の性行為はタブーとされ、男女の性や性行為の話を家庭内ですることはありません。

(4)避妊具へのアクセスの難しさ

貧困家庭において、避妊具であるコンドーム(1つ30円~100円程度)を購入することは非常に困難です。(農村部の世帯月収は平均月5,000円程度)

参考:National strategy for the reduction of adolescent pregnancy and child marriage 2018-2022

3.若年層女子に関する4つの重要な法制度と法改正

(1)児童婚の撤廃 (2007年-

シエラレオネ政府は、2007年に児童婚に関する法改正を行いました。それまで女性の多くは、両親が決めた年上の男性と結婚するという書面を用いない「伝統的な結婚」が主流であり、2010年代には約5割の女の子が児童婚を経験したといわれています。農村部の家庭にとって、「早婚」は大きな経済効果をもたらすものとして考えられていたために、多くの女の子が児童婚を強いられてきました。

法改正により、児童婚は女性への権利侵害にあたるとされ、伝統的な結婚をする際には、男女双方が18歳以上であることが条件付けられました。(※しかし、この法律は双方の親の同意があれば16歳で結婚できることになっており、今後の法改正が課題となっています)

(2)自宅出産の違法化 (2010年-)

シエラレオネでは2010年まで、出産補助の適切なトレーニングを受けていない「伝統産婆」による自宅出産が主流であったため、新生児と妊婦の高い死亡率が続いていました。そこでシエラレオネ政府は、女性が医療施設で出産することを推進するため、妊婦と幼児の医療費を原則無料にし、自宅出産を違法とする法律を制定しました。医療施設にアクセスできる女性にとっては、熟練した助産師のもとで安全な出産が可能となりました。

しかし、貧困家庭や農村部に住む女性にとっては、医療施設にアクセスすることが難しく、政府に罰金を支払いながらも自宅出産を選択する女性が多くいます。自宅出産の違法化が施行された2010年以前から、シエラレオネの出生率は低下傾向にあります。(1人の女性が一生のあいだに産む子どもの数=合計特殊出生率は、2010年には5.2人、2019年には4.1人と低下傾向にあります。引用:THE WORLD BANK : birth rate)

(3)妊娠した女子の復学禁止令 (2015年-2019年

2015年にエボラ出血熱の感染拡大により学校機関が長期的に閉鎖することを余儀なくされたために、若年妊娠が大幅に増加しました。(前年比50%)そこでシエラレオネ政府は、2015年、妊娠中または出産女子生徒の通学を禁止する政策を実施しました。しかし、国際社会から、女子への多大なる権利侵害であるとバッシングを受け、2019年に撤廃されることとなりました。

若年妊娠をした女の子が地域でのいじめや陰口等の社会的スティグマの対象になるなど、復学禁止令の影響は、撤廃された現在でも妊娠・出産を経験した女の子が学校に戻ることを困難にしています。

”若年妊娠をすることは恥ずかしく愚かなこと” という負のイメージが浸透していることにより、鬱、自殺、自傷行為など、精神面での困難を抱えてしまう女の子も少なくありません。若年妊娠をした女の子の約8割が妊娠したことを後悔しており、10人に3人、29%の女生徒が妊娠により中退しているという現実があります。

(4)中絶禁止法 (1861年-)

シエラレオネでは1861年に制定された旧法により、現在でも「中絶」が禁止されています。 「望まない妊娠による中絶の合法化」を目指した「Safe Abortion Act 2015」が2015年に評決されましたが、人口妊娠中絶に反対する宗教評議会(IRCSL)に激しく拒否され、実際に施行されることはありませんでした。

現在の法では、約5.6%にも達する、性加害によって妊娠した女性たちでさえも「産まない」という選択をすることができません。また、本来中絶をすべき「妊娠の継続が難しい命の危険にさらされてる妊婦」でさえ、安全な中絶のできる医療機関に簡単にアクセスできないという現状があります。

 4.「10代のシングルマザー復学支援」現在の支援状況

復学のために必要な給付金額

支援プログラム概要について

プログラム実施人数:22名(2021年11月末現在)

受益者平均年齢:17歳(※約5割の受益者が最終学歴中学校2年生)

毎月の奨学金支給額:約2,200円(返済不要)※1円=0.011リオンで計算

進学支援金制度:受益者が中学校受験(NPSE)に合格し中学校に進級する場合、約3,300円を給付

緊急医療費補助制度:事故・病気などにより1,100円以上の医療費がかかる場合、支援契約期間内に一度だけ、5,500円まで給付

 5.支援条件・契約期間について

支援契約の様子

女の子が当法人との支援契約に至るまでには、女の子と赤ちゃん、そして赤ちゃんの養育者に課する様々な条件があります。50以上の候補者へのヒアリング項目と、 19の絶対条件 である 「赤ちゃんの父親と同居しておらず、経済的責任を果たしていないこと」 「最終学歴が中学校2年生までの10代のシングルマザーであること」「女の子と赤ちゃんの関係が良好であること」「赤ちゃんが生後7か月以上で、授乳が1日に3回以下になっていること」「家族が復学に協力的で、赤ちゃんのお世話をできる家族がいること」などを定め、それらの項目に基づいて支援対象者を決定しています。

女の子への最初のヒアリングと毎月のモニタリングは、原則1名の女性スタッフが行っています。また、女の子が、元いた学校での、いじめや陰口を懸念し新しい学校への転入を希望する場合、1名の男性スタッフが学校関係者との連携を取り、復学登録を行います。

プログラムの契約は1月1日~6月30日と7月1日~12月31日の2度の更新手続きがあり、更新する1か月前までの毎月のモニタリングによって、今後のサポートの有無を決定していきます。契約は、女の子が通学している間に赤ちゃんのお世話をする家族1名も同時に行います。

毎月のモニタリングでは、女の子の世帯の経済状況、給付金の使途、赤ちゃんの健康状態、学校でのいじめや陰口がないか等、約30の質問項目によって詳細に経過を観察していきます。

通常3月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月・1月・2月は、女の子が赤ちゃんと一緒に現地オフィスに訪問しモニタリング・現金給付を行い、長期休みの重なる4月と12月には、現地スタッフが受益者宅に家庭訪問を実施します。

このように現地スタッフが、10代のシングルマザーとその家族へ綿密に毎月のモニタリングを実施し、支援契約・契約更新を行っています。

 6.給付金の使用用途

給付金の使用用途は、女の子の教育費と赤ちゃんの養育費に限定して使用され、返済の必要は原則ありません。

6名の受益者の奨学金給付の使用例

初月にはバッグ・制服・文房具代・給食費といった学用品等の復学準備金、給付3か月後からは赤ちゃんの養育費と放課後学習(有料)に主に利用される傾向にあります。

奨学金で購入した学用品

 7.今後の活動計画

今後は、シングルマザーの女の子の復学支援に努めるとともに、同意のない性交渉による望まない妊娠の根本的解決のために、ケネマ県の現地NGO「Global Village Network」と協力し、中学校・高校での男子生徒へ向けた性教育プログラム「ハズバンドスクール」の継続的な開校を計画しています。

来年度末までに、ケネマ県の10校1,200名の男子中高生に、ハズバンドスクールを届けることを目指しています。

男子中高生への性教育プログラム「ハズバンドスクール」開校の様子

ハズバンドスクール開校の背景には、「学校に性教育カリキュラムがないこと」と「高額なコンドームが購入できないこと」の二つの課題があります。

男子中高生への性教育プログラム 「ハズバンドスクール」では、女性の権利・健康、正しい避妊方法、性加害の処罰の内容、性被害にあった女の子の保護・治療・アフターケア・訴訟までのサイクル、10の性的同意のパターンについて理解することを目的としています。一人一冊テキストを配布し、一人当たり1つのコンドームを配布し、コンドームの正しい装着方法も学びます。

10代の女の子の若年妊娠の理由は、2010年代まで「児童婚」が主な要因でしたが、男女の教育格差が徐々に是正されていくにつれ、その主流要因は近年変化しつつあります。教育格差の是正により、中学校に進学できる女の子の割合が増加し、近年では親元を離れて都市部で寮生活をする女生徒が増えました。都市部でボーイフレンドができるも、コンドームへのアクセスの難しさ、性的同意の難しさ、性教育の知識不足などにより妊娠にいたります。男性側も複数の若者と関係を持ってるため、経済的責任を果たさない・果たせないケースがほとんどです。

また学校での男性教師による性暴力が起きているという現状もあります。 男性側が避妊の方法を学ばず、子育ての責任を取らず、女性だけがスティグマとされる社会を変えていくために、ケネマ県全体でのハズバンドスクールの開校を進めてまいります。

すでに政府機関である「Marie Stop」がコミュニティベースで、性教育に関する啓蒙活動を担っていますが、確実にそして幅広く性教育を届けるために、NPO法人アラジでは「学校機関」での啓蒙活動に努め、いずれは行政との連携・協働等も視野にいれ活動を続けてまいります。

若年妊娠をした10代の女の子が再び教育の機会を獲得し、経済的な自立と夢の実現が可能となるよう、NPO法人アラジはこれからも支援活動を継続していきます。

2021年12月以降も、皆さまの温かいご支援とお力添え、どうぞよろしくお願いいたします。

以上

(参考文献)

特定非営利活動法人Alazi Dream Project

編集:栗田紗希

文責:下里夢美

(2021年12月4日)インターン卒業生インタビュー(江田飛翔さん)

2021年12月4日

11月にアラジのインターンを卒業した江田さんにインタビューしました!

自己紹介をお願いします!

こんにちは!
2021年9月から11月末までアラジの東京事務局インターンとして約3か月間活動をしておりました。現在大学2年生で社会科学を専攻しております。

アラジに応募したきっかけは何ですか?

高校生の頃から国際協力分野に興味があり、実際に現場の雰囲気を肌で感じてみたいと以前から考えておりました。そんな中、インターネットでアラジのホームページをたまたま見つけ、インターンへの応募に至りました。

どんな業務に携わりましたか?

インターン期間中は本当にさまざまな業務に携わらせていただきました!具体的にはSNS広報や現地業務のモニタリングと指示、それらを基にした中間報告書作成などが挙げられます。

インターンを通して学んだことは何ですか?

第一にNPOの活動は本当に多くの方々のご支援やご協力があって成り立っているということを学びました。また国際協力分野を志すうえで、スキルや知識など自分には圧倒的に足りないところがまだまだあるということを再認識することができました。自分の不甲斐なさや考えの甘さによる悔しさを、3か月の間に何度も実感できたのはとてもいい経験になりました。

思い描いている今後のキャリアについて教えてください!

今後はインターン期間で学んだことを生かしながら、自分の目標を達成するためにひたすら努力を続けていきたいと考えています。そしていつかまた、アラジの活動に本当に貢献できる人材になりたいと思っています!

江田さん、インタビューにお答えいただき、ありがとうございました!

インターン生・ボランティアさんを募集しています!!

NPO法人アラジでは、インターン生やボランティアさんを随時募集しています。

東京の事務局または、オンラインのどちらでもご参加可能です!

ご興味のある方は、下記リンクより詳細をご覧ください!

ボランティアする

(投稿) 江原 莉菜

(2021年11月27日)2021年度 農村部小学校定額給付支援 中間報告書

2021年11月27日

本中間報告書では、NPO法人アラジが「ポートロコ県マケレ村」で実施する「農村部小学校定額給付支援」の、2021年4月~2021年11月中旬までの約半年間の活動報告をまとめています。

※NPO法人アラジが使用する子どもの写真は、NPO法人アラジが定めるチャイルドセーフガーディングポリシーに遵守し、書面にて子どもたちの写真撮影の許可および広報媒体への使用の許可を得ています。

 1.NPO法人アラジとは

NPO法人アラジ(正式名称:特定非営利活動法人Alazi Dream Project)は、西アフリカのシエラレオネ共和国で、教育を受け続けることが困難な貧困家庭の子どもに、教育支援を提供する国際協力NGOです。

2014年に代表理事の下里夢美(しもさとゆめみ)により任意団体として創設、2017年よりNPO法人化しました。事業スローガンに「最も困難な状況に陥る子どもと貧困家庭へ私たちが、最初のチャンスを」、ビジョンに「誰もが夢へ向かって努力できる社会の実現へ」をそれぞれ掲げ、日本とシエラレオネ共和国で活動を行っています。4年間で延べ1,100人の貧困家庭の子どもに、教育と就労の機会を提供してきました。

NPO法人設立から5期目を迎えた現在では、常勤スタッフ(有給)1名、非常勤スタッフ(有給)3名、登録ボランティア約80名、インターン生述べ15名、月額寄付サポーター登録者数207名となり、多くの市民の皆さまのご理解とご支援をいただきながら、活動を継続しています。

事業地シエラレオネでは現在、2つの事業地(首都フリータウン・ケネマ県)の事務所に、現地スタッフが3名在籍しています。

 2.シエラレオネ共和国とは

西アフリカの西部に位置するシエラレオネ共和国は、18世紀に奴隷貿易の産地として発展、奴隷制から解放された黒人たちの移住地として、1808年にイギリスの植民地を得て、1961年にイギリスから独立しました。

現在の人口は約790.7万人(2020年,世界銀行)で、国土面積は71,740 km²です。首都は、奴隷解放の意味を込めてフリータウン(Freetown)と名付けられています。公用語は英語で、ティムニ族、メンデ族、フラニ族など、多数の民族の共通語としてのクリオ語は、国民の9割以上に使用されています。宗教の内訳は、イスラム教6割、キリスト教3割、その他の土着宗教が1割となっています。日本とは距離にして約14,000km離れており、航空時間は約30時間と、物理的に距離が遠く、心理的・経済的交流が非常に限られた地域となっています。

現在、シエラレオネ共和国は後発開発途上国(*1 LDC : Least Developed Country)47か国に属し、SDGs(Sustainable Development Goals = 持続可能な開発目標)達成年の2030年以降も、後発開発途上国に残り続けるだろうと予測されています。1991年から2002年までの長きに渡る政府軍と反政府軍(RUF)との内戦では、多くの死者や難民を生み出すと同時に経済・教育・行政など様々な面に甚大な負の影響を及ぼしました。2016年のエボラ禍、2018年の都市部の土砂災害(1,000名以上が死亡)等も、同国の経済発展に大きな影響を与えています。

*1 後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)

 国連開発計画委員会(CDP)が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々。3年に一度LDCリストの見直しが行われる。規準は以下の通りである

(1)一人あたりGNI(3年間平均):1,018米ドル以下(2)HAI(Human Assets Index):人的資源開発の程度を表すためにCDPが設定した指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの。(3)EVI(Economic Vulnerability Index):外的ショックからの経済的脆弱性を表すためにCDPが設定した指標。人口規模、地理的要素、経済構造、環境、貿易のショック、自然災害のショックから構成。(参考:外務省HP

 3.これまでの活動

現在NPO法人アラジでは「農村部小学校定額給付支援」「都市部奨学金給付支援」「10代のシングルマザー復学支援」の主に3つの支援事業を、首都フリータウン、ケネマ県、ポートロコ県の3つの事業地で実施しています。

シエラレオネ共和国において、子どもがより経済的に脆弱な状況に陥る要因としては、主に3つのパターンがあげられます。1つは事故・病気・災害等で子どもが両親を失っており、親戚宅で里子として過ごしている場合、次に、子どもの保護者が初等教育を完了していないひとり親世帯で頼れる親戚が不在の場合、最後に学校設備が不十分な農村部で生活している場合等が考えられます。生きるため、また、学校に通い続けるために、月100時間以上の過度な家事、農業、兄弟の育児、売り歩き、物乞い、最悪の場合にはセックスワーク等の児童労働に従事する場合があり、大きな社会問題となっています。

両親から明らかな虐待を受けている場合や、ストリートチルドレン、災害・緊急時の保護・サポートはより充実していますが、上記にあげた「家族と過ごす子どもの貧困」は目に見えにくく、義務教育課程(中学校3年生まで)において、留年や退学を繰り返す要因にもなり、解決がより困難です。

現在NPO法人アラジでは、そうした「家族と過ごす子どもの貧困」の諸問題の根本要因を改善するべく、上記に掲げた3つの支援事業と啓発活動を実施しています。それぞれの事業が、児童労働や子育てなど、様々な理由で教育を受けることが困難な子どもの家庭に、教育機会を提供し、長い目でみた教育の成果を目指すものです。

活動の実績として、奨学金給付支援事業においては教育費の補助により受益者の留年率0%を達成、また小学校定額給付支援においては、未認証の小学校への初期設備の整備を担当しこれまで1校を現地行政へ引き継ぎました。現在、430名の子どもが毎月NPO法人アラジのサポートを受けながら、学校に復学しています。

 4.シエラレオネの教育の現状

シエラレオネは日本と同じ、小学校6年制・中学校3年制・高校3年制・大学4年制で、保護者の義務教育期間を中学校3年生までと定めています。

2020年のAnnual School Censusによるとシエラレオネには、保育園から高校まで全国11,168の学校があり、その半数以上(55%)がミッションスクール(宗教団体が伝道のために設立し、主に寄付金で運営が行われている学校)です。

小学校総就学率では女子が140%、 男子が137%*2となる一方で、完了率は87.19%となっています。また、中学校総就学率では女子が76.7%、男子が77%となり、義務教育過程の完了率は男女平均72%となっています。(参考:2020 Annual School Census

小学校時点では女子の就学が多い傾向があるものの、中学校・高校・大学進学につれ、男子の就学率が女子を上回る男女の教育格差がみられます。SDGs目標4.1「2030年までに、すべての少女と少年が、適切で効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育・中等教育を修了できるようにする。」の目標はいまだ達成には厳しい状況です。

*2 総就学率の高さは、標準年齢に児童が属するかどうかにかかわらず、就学度合いが高いことを意味します。総就学率は、公式の就学年齢から外れた生徒が含まれる場合や、留年、復学によって、100%を超える場合があります。 

 中間報告(2021年4月~2021年10月)

マケレ小学校の様子

 1.事業概要

「農村部小学校定額給付支援」は、農村部の教育設備が不十分な学校へ、毎月の定額現金給付支援を行う活動です。現在 、毎月ポートロコ県のマケレ小学校の学校運営者(校長先生)に対して、71,500円(6,500,000SLL*1リオン=0.011円で算出)の現金給付を行っています。

学校運営者に対して行われる現金給付

ポートロコ県の3つの小学校に、教科書やノートなどの教材物資の提供支援を行ってきました。しかし、学校に通う子どもたちが適切な教育機会を継続的に獲得できるよう、現物を与える支援ではなく、より自立した学校運営を学校運営者自らが行うことを目指して、2020年11月より、毎月の現金の定額給付という形でサポートを実施しています。

 2.対象事業地・受益者

受益者の子どもたち

学校名:マケレ小学校(正式名称は非公開)

所在地:ポートロコ県・マケレ村

児童数:前年度284名→361名(女子169名/男子192名)

教員:8名(数学、英語、アラビア語、社会、理科、保健体育、等)

支援実施の際には、毎月2回、首都フリータウン事務局のスタッフ1名が車(約2時間)でマケレ小学校まで訪問しています。

 3.支援の際の合意事項

小学校定額給付支援を実施するにあたっては、小学校運営者と、NPO法人アラジで以下の合意事項を締結しています。

  • NPO法人アラジの現地スタッフによる、月に2回の学校訪問における、経費支出会計報告と子どもたちのインタビューなどの経過観察に応じること。
  • 子どもへの体罰を行わないこと。
  • 学校の登校日には、毎日人数分の給食を家庭の経済状況による差別をせず、全員に提供すること。
  • 当支援事業は、ポートロコ県管轄の教育省へ将来的には引き継がれることを目指し、政府公立小学校として認可されるまでの初期設備および給食費・教員給与等の補助的なサポートとする。

 4.給付金の使用用途

毎月の給付金は、在籍する子どもたちへの教材、机・椅子・黒板・トイレ・水道などの学校設備費や修理費のための貯蓄金、教員給与などに使用されます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: zutS2adKubo5TyD7r7Y4VJBdNouzVHFonXVymuIcw-GzO3NVjeQ7JLy6ccwwxvP6I_O-6Exa49UlmFHniMa96rfI8E4gBgYVV4vwDbDW1G-BKXGHCW-Aal5PZueNHg8uA93lf2l_
授業で使われる黒板
学校給食で提供されるパフケーキ

学校給食には、学校で調理されたパフケーキやジンジャージュースが毎日提供されています。貧困により1日1食しかご飯が食べられない子どもも、学校給食によってお腹を満たすことができており、子どもたちの栄養改善にも寄与しています。

2021年10月に新たに建設されたトイレ

2021年10月には学校敷地内のトイレ建設が完了しました。これまで学校の敷地内にトイレがなかったため、子どもたちは頻繁に家まで走って帰ったり、茂みの中で用を足したり、という状況でした。今回はトイレ建設を行い、3つのトイレを設置、安全面・衛生面においても大きく寄与しました。

マケレ小学校においては、教室2クラスがもともと設置されていましたが、長椅子(3人がけ)24点、黒板5点、飲料水バケツ2点、トイレ3つは、NPO法人アラジの支援で設置いたしました。

 5.収支報告

毎月の給付金は、約半分が学校給食に使用されています。9月の会計報告を例に毎月の支出報告の傾向を下記図に表しています。9月には、50%を給食費に、40.6%をトイレ建設費に、5.5%を学校設備費(黒板)に、3.8%を教員給与に使用しました。給付金の使用用途は学校の長期休み期間や、その時々のニーズによって異なります。

9月の支出報告とその内訳

 6.毎月の経過観察

アラジでは、月に2回の現地スタッフによる学校訪問と学校運営者、子どもたちへの経過観察を行っています。給付金の使用計画や、学校運営の改善点、地域を管轄する教育省との連携等を行っています。

学校運営者への経過観察項目

  • 収支報告書のチェック
  • 会計予算の計画チェック
  • 机や椅子、黒板や水道設備など学校設備の保有数
  • 在籍児童の人数と男女比
  • 児童の授業出席率(平均9割)
  • 勤務する教員の情報(保有する教員免許、給与額など)
  • 毎日提供される昼食の内容
  • 中学校受験者数
  • 中学校合格者数

また子どもたちの学校生活を正確に把握するために、子どもたちを対象とした経過観察も同時に実施しています。この経過観察は毎月固定された7名の児童と、実施日ごとにランダムに選ばれる3名の子どもの計10名を対象に実施しています。

子どもへの経過観察項目

  • 学業の進捗状況
  • 給食が毎日提供されているか
  • 提供される給食の内容は何か
  • 児童間のいじめや先生からの体罰の有無
  • 先生の子どもに対する言動(金銭の要求や外見に関する発言がないか)
  • 通常の授業が適切に実施されているか
  • 性教育の実施有無
  • 子どもたちの将来の夢

対象児童への経過観察の様子

これらの学校運営者、子どもたちを対象とした経過観察によって、給付金が適切に使用されているかを定期的な調査は、次年度の活動計画に反映されています。

 7.中学校受験と合格率

シエラレオネの子どもたちは、中学校進学時に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が共同で策定する中学進級試験:NPSE(National Primary School Examination)への合格が必須となっています。

今年度は2021年5月28日に開催され、過去最多となる約16万人が受験しました。試験では、小学校卒業時点までの学習到達度を測るために、国語(Verbal Aptitude)・数学(Mathematics)・英語(English Language)・一般教養(General Paper)・数的適正(Quantitative Aptitude)の5科目で構成されています。今年度マケレ小学校からは10名(前年比+7名)の児童が中学校進学試験に合格し、中学校に進学予定です。

子どもたちが使用する教科書

※シエラレオネ政府はユニセフと協働で全国に教科書を配布しています。しかし行政のサポートは教科書のみなため、NPO法人アラジでは、その他の必要な教育サポートを実施しています。

授業を行う先生

 8.活動における課題点

当活動が今後解決すべき課題点が大きく4点あげられています。

授業を受ける子どもたち

課題1:就学児童の増加

マケレ小学校に入学する児童数が、前年度284名から21年度11月時点で361名となり、急増しています。そのため、教室や机、椅子などの備品が不足しています。入学する子どもが増加する要因としては、給食支援を行っていること、近隣のンボロ小学校が、老朽化により閉鎖されてしまったことなどがあげられます。

ンボロ小学校はかつてマケレ小学校に隣接する学校でしたが、2016年の校舎倒壊、2020年の教員の不祥事により運営が立ち行かなくなってしまいました。これを理由にンボロ小学校に通っていた子どもがマケレ小学校に転校したため、人数の増加に繋がりました。子どもたちが適切な教育機会を得るために、学校設備の強化が喫緊の課題となっています。

課題2:備品の盗難

2021年に入り、教室に設置されていた机が1点盗まれるという事態が発生しました。今後、備品の盗難被害が再び発生しないためにも、設備強化等対策を講じる必要があるため、学校運営者とともに計画予定です。

課題3:いじめ・体罰の防止

毎月の子どもへのヒアリングにより、いじめや先生の体罰などが存在していることを確認しています。毎月の経過観察では、固定された7名の子どもとランダムに選ばれた3名の子どもに、学校生活に関する詳細なアンケート調査を行っています。調査結果からは、いじわるなこと(主に外見に関する侮辱)を言われたり、望まないあだ名をつけられたりする事例が毎月みられます。

また同時に先生の体罰も依然として起こっていることも、調査結果から判明しています。よりよい学習環境の確保のためにも、先生への研修やいじめの防止措置等、適切な対策を検討する必要性があると考えています。

課題4:性教育の拡充

マケレ小学校では、性教育が充分になされていません。望まない若年妊娠や性暴力を防ぎ、子どもの権利を守るためにも、性教育の提供は不可欠であると考えます。現在NPO法人アラジでは男子中高生向けの性教育授業(ハズバンドスクール)の開催を計画しており、マケレ小学校の子ども達に対しても、来年度中に実施予定です。

ハズバンドスクールでは、女性の権利・生理や出産などのリプロダクティブヘルス・性加害を起こした場合や示談した場合の刑罰、女性が被害者となった場合の適切な連絡機関と、治療・アフターケア・刑事裁判のサイクル、10パターンの性的同意について学びます。

 9.チャイルドセーフガーディングポリシー

今年度からNPO法人アラジではチャイルドセーフガーディングポリシーを新たに策定しています。このポリシーは、受益者である子どもの個人情報と人権を保護することにより、あらゆる関係者からの性的搾取・性加害を防止するためのガイドラインです。新たに策定されたこのポリシーでは、全ての関係者が、子どもの情報を外部に公開する際には、名前・居住地・学校正式名称・誕生日などの個人情報を、公開してはならないことが定められています。

また、現地活動の際には、同性の子どもへのヒアリングは、できる限り同性のスタッフが行うことや、支援者が現地に渡航する際の注意点なども明記しております。このポリシーをスタッフ一同が遵守し、万が一問題が発生した際には、すみやかに警察(Family Support Unit)と連携できるよう、体制を整備しました。

 10.今後の活動計画

当小学校定額給付支援事業においては、引き続き周辺地域の子どもの入学を受け入れるとともに、学校設備の拡充・強化に務めます。

現在の活動実績を基に、事業規模を順次拡大させていく予定であり、最終的にはポートロコ県の教育省へ公立学校として引き継ぎを行うことが本活動の掲げるゴールとなっています。

子どもたちの産まれた環境に関わらず、継続した学びの機会を提供するべく、アラジはこれからも支援活動を継続していきます。

2021年11月以降も、皆さまの温かいご支援とお力添え、どうぞよろしくお願いいたします。

以上

特定非営利活動法人Alazi Dream Project

編集:江田飛翔

文責:下里夢美

(2021年11月24日)2021年11月活動報告

2021年11月24日


いつもご支援いただいている皆さま、力強いサポートを続けていただき、誠にありがとうございます。支援者の皆さまに11月の活動報告をお送りしております。


代表下里のつぶやき

皆さま、いつもお世話になっております、代表理事の下里夢美です。業務とは関係ない話しなのですが、わたくし、アニメと漫画がとても大好きです。年子育児+現地との9時間時差オンラインで日々バタバタとしているのですが、アニメは寝不足でも毎日絶対みてしまいます…(どんな作品が好きかと言うと大変長くなるので割愛)
先日、アセアンセンターが主催するアジア地域のアニメ市場をテーマにしたオンラインイベントに参加しました。アニメは日本経済を支える成長市場としてだけではなく、日本文化として世界に認められる存在であり、年間2,500億円の売り上げの約半分は海外市場から、そしてグッズ販売からの収益が主だそうです。2000年代初頭、欧米諸国で日本のアニメが放送されるようになり、2020年は制作スタジオの拠点もアジア地域への展開がみられます。
そして、私の予想では2030年代にはアフリカ地域でも、みんなが携帯でアニメをみて(仮想通貨をポイントにして1話ずつ格安でみられるようになっていたりして)通学カバンや文房具には当たり前に日本のアニメキャラクターが印刷されている、なんて世の中が本当にきそうでワクワクします。すでにきているかもしれないですね。
日本のアニメが世界中に広まると「聖地巡礼」で世界中からアニメ好きが日本を訪れるようになり、インバウンド消費に大きく貢献することになります。アニメが大好きなアフリカ地域の人々と秋葉原で友達になれる日がくるかも!?(アニメに興味ない方にはどうでもいい話でした)

現地シエラレオネ最新活動報告ワークショップを開催!

奨学金給付支援での受給対象となっている、フリータウンの子どもたち16名に対して、ワークショップを開催しました!ワークショップでは、「勉強を続けること」のメリットを、生涯年収や、建設的な人づきあいという、具体的エピソードに基づいて手引きし、「10年後の夢」を一緒に考えるワークを行いました。
「5年後に何をする?」「3年後に何をする?」「1年後には?」という風に、具体的な未来を思考し、今できることを逆算するといった方法で参加してもらい、保護者と一緒になって子どものよりよい未来を描くにはどうしたらよいかを考えました。
現在サポートを続ける都市部の16名に関しては、12月に契約が終了となり、毎月の詳細なモニタリングで把握する家庭の経済状況によっては、サポートを卒業する子、サポートが続く子がいるため、11月中に慎重に判断をしてまいります。


農村部小学校支援トイレが完成しました!

農村部小学校支援では、毎月約7万円の給付金を、ポートロコ県マケレ小学校に届け、子どもたち354名が継続して学ぶための机や文房具、先生のお給料、毎日の給食費等を補助しています。夏休みで給食費が浮いた分で、トイレの建設を行い、無事着工したということです。
これまで、子どもたちは、トイレのたびに家まで走って帰っていましたが、衛生的なトイレが手に入ったことで、より安全に、より集中して学ぶことができるようになりました。
11月には、中間報告書を作成し、皆さまにお知らせいたします。


10代のシングルマザー復学支援受給者が目標半分に!

5月にマンスリーファンディングを行い、来年3月末までにあと50名の10代のシングルマザーの女の子の復学を目指したこのプログラムですが、今月受給者が24名になり、目標人数の折り返しに差し掛かりました。
女の子たちは、それぞれの学校に戻るか、新しく転校をし、元気に学校に通っています。初月の受給では、通学バックや制服代の補助として使用されますが、受給から3か月ほどたつと、毎月2,200円の奨学金を、勉強の遅れを取り戻すための「放課後学習」と「赤ちゃんの養育費」に使用する傾向がみられています。
今後もアラジの返済不要の奨学金で、より一層勉学に励み、一人ひとりの女性の権利が尊重される社会の実現へ寄与してまいります。
11月には、中間報告書を作成し、皆さまにお知らせいたします。

企業協賛寄付プラン新リリースしました!

私たちNPO法人アラジは、世界最貧国「シエラレオネ共和国」の、最も経済的困難に陥る最貧困家庭の子どもたちに対して、2017年から様々な教育支援を行っています。困難に立ち向かう子ども達が未来を切り開いていけるよう、この度、企業協賛プランを新しくリリースさせていただきました。
法人会員になるには?

月会費:毎月のクレジットカードによる決済

年会費:毎年4月にお振込み、またはクレジットカードでの決済上記のいずれかの方法でご支援いただくことが可能です。


法人会員特典

  • 毎月活動報告メールをお送りします。
  • 毎年7月に「年次報告書(電子版)」をお送りいたします。
  • 企業ロゴとリンクをHPに掲載いたします。
  • 1年に2回、企業の社内セミナーに、SDGsをテーマに代表下里が無料登壇いたします。
  • 企業ロゴを年次報告書に掲載いたします。(次年度も支援継続の場合に限ります)

※法人会員の皆様には総会での議決権はございません。


法 人 会 員コース( 月 払 い )毎月クレジットカードの自動引き落としでご支援いただけます。希望月に年間の合算領収書を発行いたします。

  • 月額 3,000円   - 年12人の教育支援に
  • 月額 5,000円   - 年20人の教育支援に
  • 月額 10,000円 - 年40人の教育支援に

法 人 会 員 コース( 年 払 い )口座振込みまたはクレジットカードで年に1度ご支援いただけます。毎年4月に請求書、領収書を発行いたします。

  • 年会費 36,000円 - 年12人の教育支援に
  • 年会費 60,000円 - 年20人の教育支援に
  • 年会費 120,000円  - 年40人の教育支援に

お申込み方法「法人会員登録はこちら」よりまずは登録にお進みください。その後に、お支払い方法についてご案内させていただきます。

皆様の温かいご支援をお待ちしております。

____________________________
特定非営利活動法人Alazi Dream Project

問合先:info@alazi.org代表理事:下里夢美事務局長:支倉常明
シエラレオネ雑貨販売WEBショップTwitter / Facebook
■月1000円~のマンスリーサポーターを募集していますご支援はこちらから

(2021年11月12日)誠屋・百麺グループ様の4店舗に募金箱を置かせていただけることになりました!

2021年11月15日

いつもNPO法人アラジにご支援くださる皆様、ありがとうございます。

この度、豚骨醤油らーめん「誠屋」と、極楽汁麺「百麺」グループ様にNPO法人アラジの募金箱を置かせていただけることになりました。代表理事の下里夢美は、NPOの立ち上げ当初に誠屋らーめんでのアルバイトと両立しながら活動をはじめ、兼ねてよりお世話になっていた場所でもあります。

募金箱は、誠屋八幡山本店誠屋池尻店百麺世田谷店百麺中目黒店の4店舗に置かせていただいております。

この募金箱より、皆様からいただいたご寄付は、NPO法人アラジの支援先であるシエラレオネの農村部小学校定額給付支援に大切に役立たせていただきます。

NPO法人アラジでは、引き続き募金箱を置かせていただけるお店を募集しております。

世界の圧倒的な格差を少しでも縮めるためにご協力の程よろしくお願いいたします。

担当者:宮川琳
メールアドレス:miyagawa.r@alazi.org

募金箱設置のお申し込みはこちら

(投稿)宮川 琳

(2021年11月17日)NPO法人アラジが『国際協力キャリアガイド2021-22』に掲載されました!

2021年11月11日

NPO法人アラジが『国際協力キャリアガイド2021-22』に掲載されました!

この度、NPO法人アラジが、 『国際協力キャリアガイド 2021-22』に掲載されました。

11月17日から書店で販売されます。

ぜひ、一度ご覧ください。

これからもNPO法人アラジの活躍をご期待ください!

(投稿)スタッフ 宮川琳

(2021年11月5日)事務局に今期14人目となる新しいインターン生が加わりました!

2021年11月5日

事務局に今期14人目となる新しいインターン生が加わりました!

11月5日(金)より、事務局インターンとして新たに1名参加することになりました。

インターン生:江原莉菜(えはらりな

中高生の頃から「国際協力」に関心があり、将来は国際協力の 現場で働きたいと考えるようになり、大学の授業や セミナーを通してアフリカでの支援に興味を持ちました。そんな中で、NPO法人アラジの活動を知ってぜひ業務に参加させていただきたいと思いました!貢献できるように精一杯頑張ります!

(投稿)江原莉菜

(2021年11月4日)事務局に今期13人目となる新しいインターン生が加わりました!

2021年11月4日

事務局に今期13人目となる新しいインターン生が加わりました!

11月4日(木)より、事務局インターンとして新たに1名参加することになりました。

インターン生:栗田紗希(くりたさき)

高校3年生の時にカンボジアでの教育ボランティアに参加してから「国際協力」に関心を持ちました。途上国の「教育」「児童労働」「孤児」「女性の権利」等に関心があり、NPO法人アラジの活動内容に興味を持ったとともに、NPO法人アラジの「誰もが夢に向かって努力できる社会の実現」というビジョンに共感し参加させていただくことになりました!精一杯がんばります!

(投稿)栗田紗希

(2021年11月1日)「SNSを活用した月額寄付サポーター獲得キャンペーン徹底講座」の開催動画を販売しております!

2021年11月1日

「SNSを活用した月額寄付サポーター獲得キャンペーン徹底講座」の開催動画を販売しております!

弊会は、これまでマンスリーファンディングなどの様々な月額寄付サポーター獲得キャンペーンを通して、本年だけで約100名のご登録(月額平均単価:2,000円)また既存の約30名のサポーターから、マンスリーサポートの増額のお申込みをいただきました。

多くの方から毎月少額の定期的なご寄付をいただき、かつサポーターの皆さまにより仲間意識をもって繋がっていただくことは、NPO運営における中長期計画を策定する上で、なくてはならない財政基盤の安定化にも繋がります。

弊会は、2017年に設立した比較的若い団体であり、月額寄付プランがNPO業界で盛んに採用されるより以前に、既存の寄付者がいない状態でありながら、紙媒体を用いず、オンライン上(各種SNS活用)で月額寄付者を集めることに、積極的に取り組んでまいりました。

弊会の様々なチャレンジを通して培ってきた、月額寄付サポーター獲得のノウハウを、要点を押さえて解説し、約1時間の動画にして販売しております。

NPOのファンドレイジングや、継続寄付者獲得にご関心のある方は、ぜひご視聴ください。

ご購入はこちら

(投稿)スタッフ 宮川琳