Category "孤児支援"

(2021年7月25日)8月31日(火)までにドリームサポーターをあと20名募集しています!

2021年8月2日

8月31日(火)までに、ドリームサポーターをあと20名募集しています!

私たちNPO法人アラジは、西アフリカのシエラレオネ共和国において、約7年間にわたり経済的困難を抱える最貧困家庭の子どもと大人たち、延べ1,000名に教育と就労の機会を届けてきました。私たちは、8月31日(火)まで、ドリームサポーターをあと20名募集するキャンペーンを行っています。

ドリームサポータープランとは?

私たちは毎月、シエラレオネにおいて「最も経済的に困難な状況に陥る里親家庭・片親家庭の子どもたち」への奨学金給付支援をおこなっています。

現在までに、述べ29名の子どもたちが、児童労働をせずに、教育を再び受け続けることができるようになりました。

ドリームサポーターは、毎月3,000円のクレジットカードによる自動引き落としでのご支援で、一人の子どもの成長を毎月見守ることのできる支援プランです。

  • 一人の子どもの成長を毎月写真(メール画像添付)で見守ることができます
  • 半年に一度子どもとお手紙交換ができます!(お返事は任意です)
  • 年に一度、リターン品が届く!(アフリカ布雑貨など)

現在までに22名の方にご登録いただいております。

ドリームサポーターにお申込みいただける方

  • NPO法人アラジの活動理念にご賛同いただける方
  • クレジットカードをお持ちの方
  • 新しく毎月のサポートをはじめたい方
  • すでにマンスリーサポーターで増額プラン変更を希望する方
  • すでに月額3,000円以上のマンスリーサポーターでドリームサポーターに移行したい方

ドリームサポーターにご登録いただける方は、クレジットカードを持つ、すべてのアラジの活動にご賛同いただける方です。すでにマンスリーサポーターに登録されている皆さまも、プラン変更が可能となります。このキャンペーン期間中にぜひご検討ください。

ドリームサポーターからのメッセージ

「アフリカに行ったことはない、でも、できることはある!」

大学生の時に『世界で一番いのちの短い国』という本に出会ってから、シエラレオオネという国の名前は、頭の片隅にありました。その時は、何もできないと思っていた私が今その国の子どもたちの教育を、そして、大人たちの仕事を応援できることに、感動しています。これからより多くの皆さんとその喜びを分かちあっていけたら嬉しいです。ぜひ、一緒にアラジの応援団になりましょう!

ドリームサポーター 吉成 優子さん

 

支援を届ける子どもからのメッセージ

「チャンスをいかして、成績一番に!」

シエラレオネのこの県で生まれたサミュエル(仮名)10歳です。両親を病気で亡くして、今は、親戚のいるフリータウン(首都)に住んでいます。今まで生きるために、働いていました。アラジの毎月の奨学金給付サポートで、小学校1年生からスタートして半年がたちました。勉強は楽しいです!

 

ドリームサポーターになるには?

ドリームサポーターにご登録いただく際には、はじめてご登録の方も、すでにマンスリーサポーターでプラン変更が必要な方も、下記の「ドリームサポーター申込みはこちら」ボタンより、フォームに必要事項をご記入いただく形で、お申込み手続きにお進みください。

 

 

(2021年6月24日)2021年半年間の活動ハイライト

2021年6月24日

2021年半年間の活動ハイライト

いつもNPO法人アラジにご支援くださる皆さま、誠にありがとうございます。

代表理事の下里夢美から、2021年半年間の活動ハイライトをご報告させていただきます。

現地活動

私たちはこれまで、2017年のNPO設立から述べ約1,110名にサポートを届けてまいりました。

これも一重に、これまで長くご支援を継続してくださる皆さまのおかげです。改めてお礼申し上げます。

今年度は…

に継続したサポートを届けております。

また、毎月38名へ詳細なモニタリングに協力いただき、プログラムのアップデートを随時行っております。

詳細な支援活動内容については、各HP活動リンクからご覧ください。

仲間が増えました!

2021年5月5日より実施しておりました継続月額寄付者100名を募集するマンスリーファンディング「若年妊娠により退学を強いられた女の子【あと50人】に人生を変えるチャンスを届ける【100人の月額寄付サポーター】を募集しています!」(Syncableサイト)では、27日間の挑戦で、目標を上回る107名の方から月額増額93,939円 、また8の方から口座振込で一年分のご支援をいただきました。

皆様からいただいた大切なご支援をもちまして、アラジはシエラレオネの若年妊娠女子の復学支援を進めてまいります。

また、現在アラジでは…

  • 月額寄付サポーター(継続219名)
  • 正会員(19名)
  • ボランティア登録者数(63名)
  • 日本事務局有給スタッフ(3名)
  • 日本事務局インターン(2021年述べ6名)
  • フリータウン事務局有給スタッフ(1名)
  • ケネマ県事務局有給スタッフ(2名)

総勢313名の仲間に囲まれて、日々活動を継続しています。

皆さま、日ごろから活動にご尽力いただき、誠にありがとうございます。

事務局スタッフ紹介

(2021年度5月まで)

今後とも、長く活動を続けてまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

ボランティア募集のお知らせ

現在、以下の日程で、文京区事務局にてボランティア参加をして下さる方を募集しております。(コロナ感染症に関する政府措置の影響により、直前で開催予定日が変更となる場合があります)※COVID-19感染予防のため、事務局でのボランティアに参加される場合は、お茶菓子のご用意はありません。室内を換気してお待ちしておりますが、原則、マスクの着用をお願いいたします。

  • 7月3日(土)13時~17時

事務局にて、サポーターの皆さまへ報告書とリターン品の発送作業

  • 7月10日(土)13時~17時

事務局にて、物販販促作業

  • 7月24日(土)13時~17時

事務局にて、物販販促作業

ボランティア参加にご興味・ご関心のある皆さまは、ボランティア参加要項ページをご覧ください。

 

ドリームサポーターを20名募集しています

現在、20名のドリームサポーター(月額3,000円で一人の子どもの成長を見守るサポートプラン)を募集しています。

マンスリーサポーター(月額寄付者)の皆さま全員が、月3,000円で一人の子どもの成長を見守る、ドリームサポーターにプラン変更することが可能です。また、新規のサポーターも募集しております。毎月2名から3名しかドリームサポーターを募集していないため、大変人気のプランとなっておりますが、今回、事業地拡大のため、2021年6月現時点では、20名のドリームサポーターを募集することとなりました。

すでに月3,000円以上のご支援を頂いている方は、クレジットカード情報の登録情報の変更なく、お申込みいただけます。

ご関心のある方は、ドリームサポーター募集要項ページをご覧いただき、申込みに進んでいただくか、supporter@alazi.orgにご一報いただければ、個別に丁寧にプランについて説明させていただくことも可能です。

 

 

NPO法人アラジ

代表 理事

下里 夢美

(2021年1月29日)あと2名のドリームサポーターを募集しています

2021年1月29日

毎月1名の子どものサポートで、成長を見守る、ドリームサポーター制度、今月は【あと2名】のドリームサポーターを募集しております。

ドリームサポーターとは?

現在NPO法人アラジでは、首都フリータウンにおいて、シングルマザー家庭の子ども、災害や事故で両親を失い親戚宅に滞在している子ども、保護者の経済的理由から、自分の教育費を児童労働によって捻出している子どもなど、教育を開始・完了することが困難な子どもと貧困家庭に対して、初等教育(小学校1年生〜中学校3年生)までを完了することを目指した支援を行っています。子どもが勉学を続ける限りは、中学校卒業後も高校、大学とサポートは継続しますが、大学進学の際に他機関から奨学金を得る場合は、支援は終了となります。

奨学金給付支援のPOINT

  • 毎月3,000円のご支援で、一人の子どもの成長をメールに送られてくる活動報告と写真によってお見守りいただけます。
  • 3月と10月の半年に一度、子どもからご自宅にお手紙が届きます。(手紙の返送は強制ではありません)
  • ご支援が増えると、新たに奨学金給付支援を受けられる子どもが1名/1家庭増えます。

※ご支援は、いつでも停止していただくことが可能です。ドリームサポーターの皆様の支援の有無によって、子どものサポートがストップすることはございません。また、家庭の収入状況や、病気・事故などで皆様との交流が難しくなる場合、郊外へ転居する場合など、支援が終了する場合もありますので、予めご了承ください。

奨学金給付支援について詳しくはこちら

1対1オンラインZoom活動説明会(30分〜1時間程度)を毎日開催しています、ご支援にご興味がある方は、お気軽にお申込みください。

1対1オンライン活動説明会の申し込みはこちら

(投稿:下里夢美)

(2020年11月10日)大切なお知らせ:災害遺児支援のプロジェクト名とプロジェクト内容変更のお知らせ

2020年11月10日

災害遺児支援のプロジェクト名とプロジェクト内容変更のお知らせ

支援者の皆様へ大切なお知らせ

日ごろNPO法人アラジを支えてくださったいる皆様、誠にありがとうございます。

10月24日(土)にNPO法人アラジでは上半期定期理事会を開催いたしました。その際に、首都フリータウンにおける災害遺児に対する現金給付支援である「災害遺児支援」の支援内容に関して、変更事項をいくつか可決しましたので、ご案内させていただきます。

1.プロジェクト名変更と、支援対象者基準更新について

今後は、首都フリータウンにおいて、災害遺児に限らず、様々な困難な状況に置かれている子どもへ支援の手を広げていきます。

新支援対象者としましては、大まかな基準としては以下となります。(支援する子どもの選定には当会で定めたより細かな選定基準を設けています)

  • 金銭的貧困理由により初等教育を開始・完了できないと思われる、5歳~中学校3年生までの片親家庭または里親家庭の子ども

上記の新規準の更新に伴い、当プロジェクト名も「フリータウン奨学金給付支援」と名前を変更いたします。

2.プロジェクトの目的の更新

シエラレオネの教育制度は日本と同じ6・3・3・4年制です。義務教育は6歳から開始され、中学校3年生までとされています。世界銀行の調査によると、シエラレオネにおいては毎年約6,000人の子ども達がドロップアウト(退学)し、義務教育を完了できず、そのうちの約4割が金銭的理由によるものです。

保護者の金銭的貧困を理由に、制服や教科書、給食費が用意できない等で不登校となっている子どもによる、物乞いや売り歩き労働、児童買春は大きな社会問題となっています。

孤児院(児童養護施設)に子どもが滞在するケースもありますが、児童養護施設に滞在する多くの子どもの保護者は存命しており、金銭的貧困を理由に一時的に子どもを手放さざるを得ない状況に置かれている家庭もあります。大切な幼少期を親元を離れて過ごすことは、子どもの心理的発達障害を招く恐れもあります。保護者が貧困を理由に簡単に子どもを手放さないよう、親子が共に暮らすことができることができるような、丁寧な支援が国際的にも求められています。

よって、新たにプロジェクトの目的を「金銭的貧困を理由に、困難な状況にいる子どもが、初等教育を家族の元で完了する」とし、より多くの子どもをサポートできる体制を整えていきます。

3.支援内容について

  • これまで通り、当プロジェクトは、子どもの保護者との契約になります。保護者との契約は半年ごと(1月1日~6月30日/7月1日~12月31日)となっており、保護者により子どもの生活費・教育費・医療費として使用することができます。奨学金には返済義務はありません。
  • これまで通り、子ども一人当たり200,000リオン(約2,000円)の給付を行い、毎月現地スタッフが家庭訪問による経過観察を行います。金銭的貧困が続く場合は、受益者対象規準に限らず高校3年生まで支援が続くこととしますが、家庭の経済環境の改善がみられる場合や、他機関から奨学金を受取る場合は、支援を終了します(毎月の家庭訪問では当会で定めたより細かな質問チェック事項を設けています)
  • これまで通り、子ども一人当たり毎月別途50,000リオン(500円)の貯金をアラジが行います。引出申請書をもって、緊急時(進学・病気・事故)引き出しができる仕組み(緊急支援金制度)となっていますが、子どもが支援を終了する場合は、最後の家庭訪問で子ども自身に全額支給します。

4.里親サポーターはドリームサポーターに名称変更しました。

毎月3,000円のクレジットカード定額寄付により、毎月一人の遺児の成長を見守る「里親サポーター」についても、プロジェクトの支援対象者の基準更新に伴い、当会のビジョンである「誰もが夢に向かって努力できる社会の実現」に沿って「ドリームサポーター」という名称に変更いたします。

以上の案内について、11月9日(月)より施行し、HP内の内容も変更いたします。

日ごろ多大なご支援をお寄せ下さる支援者の皆様におかれましては、上記プロジェクトの更新事項について、ご理解・ご協力いただけますと幸いでございます。

また、ご支援の際の注意点についても、「フリータウン奨学金給付支援」のページを合わせてご覧ください。

代表理事

下里夢美

(2020年8月20日)現在のコロナ感染症の状況と里親サポーター募集について

2020年8月20日

現在のコロナ感染症の状況と里親サポーター募集について

2018年1月からはじまった、本災害孤児支援ですが、里親サポーターとして毎月3,000円のご支援をしていただける方が増え、2017年8月の首都フリータウンでの土砂災害において、両親を両方とも失った遺児計6名に対して、2020年4月から支援の手を広げることができました。

サポートを続ける子どもたちは、皆元気に過ごしています。

現在の活動について

2020年4月の家庭訪問では、全里親宅に、130枚の繰り返し洗って使える布マスクの配布を行いました。現在では、2020年7月頭にロックダウンも解除され、子どもたちの通う学校も再開しています。

毎月、全ての里親宅への家庭訪問を実施し、子どもたちの健康状態や家庭環境、成績表のチェックをしています。雨季の時期となり豪雨が心配です。季節の変わり目で風邪を引いている子どももいますが、問題なく過ごしています。

現在のシエラレオネ共和国における、NPO法人アラジのコロナ感染症対策支援については、緊急支援特設ページも合わせてご覧ください。

あと 3名の里親サポーターを募集しています!

毎月の家庭訪問の様子

月 3,000 円で孤児 1 名の里親になっていただく「里親サポーター」制度のご支援を募集しております。

孤児支援活動の支援拡大に伴い、現在は、3名(女児2名・男児1名)の里親サポーターを募集しております。

毎月の活動報告とともに、子どもたちの写真データをメッセージでお送りするほか、半年に一度、ご自宅へ写真つきで子どもたちからのお礼のお手紙とプレゼントを送付いたします。

現在は 16 名のみの災害孤児支援ですが、今年度はあと4名の子どもたちへの支援拡大を検討しており、今後、里親サポーターやマンスリーサポーターとして、アラジの仲間になっていただける方が増えれば、今もなお問題を抱える孤児・遺児を引き取る里親宅への支援や、ストリートチルドレンなどの支援に、活動範囲を広げることができます。

月 3,000 円からの災害孤児支援「里親サポーター」についてはこちら

月 1,000 円からの「マンスリーサポーター制度」についてはこちら

皆様のご支援のほど、引き続きよろしくお願いいたします。

(2020年5月15日)災害孤児支援における、コロナ感染症に伴う活動制限について

2020年5月15日

災害孤児支援・支援拡大のお知らせとコロナ感染症に伴う活動制限について

2018年1月からはじまった、本災害孤児支援ですが、里親サポーターとして毎月3,000円のご支援をしていただける方が増え、2017年8月の首都フリータウンでの土砂災害において、両親を両方とも失った孤児2名と、父親を失った遺児4名の計6名対して、2020年4月から支援の手を広げることができました。

サポートを続ける子どもたちは、皆元気に過ごしています。

コロナ感染症に伴う活動制限について

2020年3月より、シエラレオネ共和国でもコロナウイルスの感染者が報告されています。

NPO法人アラジでも、緊急支援として、農村部での簡易手洗い場の設置や繰り返し洗って使える布マスクの配布支援を進めています。

「緊急支援募金の特設ページはこちら」

首都フリータウンにおいても、ロックダウン(都市封鎖)が続いておりますが、外出禁止措置が取られない限りは、孤児宅の家庭訪問は、今まで通り実施しています。

2020年4月の家庭訪問では、全里親宅に、130枚の繰り返し洗って使える布マスクの配布を行いました。学校が休校となり、子どもたちは自宅で過ごしておりますが、体調を崩している子どもたちは今のところいません。

今後、現地スタッフの移動を伴う活動は、極力避けていきたいため、モバイルマネーを使って里親の携帯に送金する・里親が毎月現地スタッフに子どもたちの写真を送って活動報告する、などの措置を検討していますが、ほとんどの里親世代の大人たちが文字の読み書きができないため、うまく実施できるか調整を進めています。

次回の、活動レポートで、今後の動向についてまたお知らせできればと思います。

あと 6 名の里親サポーターを募集しています!

写真右は災害孤児となったメアリー(仮名)
 18 名の家族は土砂の中みつからないままとなりました。
現地パートナースタッフ(中)が里親(左)に
ヒアリングを行っている様子です。

月 3,000 円で孤児 1 名の里親なっていただく「里親サポーター」制度のご支援を募集しております。孤児支援活動の支援拡大に伴い、6名の里親サポーターを募集しております。

毎月活動報告とともに、子どもたちの写真データをメッセージでお送りするほか、半年に一度、ご自宅へ写真つきで子どもたちからのお礼のお手紙とプレゼントを送付いたします。

現在は 16 名のみの災害孤児支援ですが、今後里親サポーターやマンスリーサポーターとして、アラジの仲間になっていただける方が増えれば、活動範囲を広げることができます。

月 3,000 円からの災害孤児支援「里親サポーター」についてはこちら

皆様のご支援のほど、引き続きよろしくお願いいたします。

(2020年1月24日)女の子の性器を切りとるFGMにNO!~NPO法人アラジの災害孤児支援の事例から~ 

2020年1月24日

女の子の性器を切りとるFGMにNO!

~アラジの災害孤児支援の事例から~

女の子の性器を切り取る、アフリカに古くからみられる慣習・FGMをご存知でしょうか。

FGMとは英名で”Female Genital Mutilation(女性性器切除)といい、女性器の一部を切除あるいは縫合する行為のことを指します。主にアフリカ地域を中心に、古くから行われる慣習であり、伝統的な成人儀礼のひとつです。シエラレオネの農村部に住む女の子の9割は、FGMを経験しているとされ、秘密結社と呼ばれる土着宗教によって今もなお行われています。

FGMの4つの特徴

  1. 麻酔なしでクリトリスを切り取る、膣の入り口を縫うなど、女の子とって精神的に非常にショッキングなものである。
  2. 多くが10代未満の女の子に行われ、彼女たちの意思決定は全く考慮されていない
  3. 消毒なしで、地域の女性たちによって執り行われるため、その後の感染症の悪化で死亡するケースもある。
  4. 家族がデメリットをわかっていても、極めて伝統的な儀式のため、執り行わざるを得ない実情がある。

女の子への人権侵害であるとともに、健康面及び精神面で長期的な影響を及ぼすFGM。FGMの施術だけではなく、女性として生きる上で大切な役割・教えを学ぶ一連の儀式であり、なくてはならないものと考えられていますが、現代の都市部の多くでは、その儀式に支払うお金を初等教育にまかなったほうが将来的である、という見方も広まりつつあります。

今回の、災害孤児支援のレポートでは、支援しているとある女の子の里親が、「彼女を村の儀式へ連れて行き、FGMをさせる」という発言から、どうやってNPO法人アラジがFGM根絶にむけて取り組んでいくに至ったかを、実例をもとに紹介していきます。

私たちの活動地シエラレオネ共和国とは?

「世界で最も命の短い国」と言われるシエラレオネ共和国は、西アフリカに位置し、人口約800万人、毎年WHOが発表している“世界平均寿命ランキング”の、2018年のデータでは、平均寿命53.8歳(データのある国の中では、最下位)を記録している、世界最貧国の一つです。

災害孤児支援とは?

2017年に首都フリータウンで起こった土砂災害によって、両親ともを失った子どもたち10名が、里親宅に引き取られることになりました。

NPO法人アラジは、毎月の里親宅への家庭訪問を通じて、子どもたちの身体チェック・学力チェック(病院レシートのチェックや成績表のチェック)里親への聞き取りなどを行い、勉学を続けることができるように現金給付(月200,000SLL※約2,000円)のサポートを続けています。

私たちが支援している子どもたちの里親は、全員孤児となった子どもたちの親戚宅です。

ほとんどの子どもたちが、祖母宅へ行っていたり、母方・父方の親戚宅に遊びにいっていたりしたため、洪水による土砂災害によって流されずにすみ、災害を免れた子どもたちです。(土砂の中から生き残った子もいます)

全ての家庭が、もう一人子どもを育てるには厳しい生活状況で、2017年から約2年間、NPO法人アラジの現金給付を受け続けています。私たちは、子どもたちが勉学を続ける限り、このサポートを続けていきます。

どうして、孤児院ではなく、里親宅への支援なのか?

シエラレオネ共和国は、1991年から2002年まで約10年間、政府とRUF(革命統一戦線)が内戦を繰り広げ、経済・教育・医療などすべてのインフラが破壊され、今もなお経済復興を目指している最中です。内戦が終わり、外国支援組織がたくさんの孤児院をつくりましたが、孤児院に入る子どもたちのほとんどが、孤児ではなく両親がいる子どもたちだといいます。孤児院に子どもを入れられるということは、貧困を理由に簡単に親が子どもを手放してしまう原因にもなります。

NPO法人アラジは、子どもたち一人ひとりが里親とともにコミュニティーに再統合され、一人ひとりが親の愛着を再形成しながら、健康に勉学を続けていける社会を目指しています。

紆余曲折を得ながら現在の、現金給付+貯蓄支援に

月に250,000Le(約2,500円)の現金給付からはじまったこの支援ですが、現在は、月200,000Le(約2,000円)の給付と50,000Le(約500円)をNPO法人アラジが一人ひとりのために貯蓄するという方針に変わっています。

里親宅にて、家計簿をつけてもらい、毎月何にいくら使っているかモニタリングをする予定でしたが、シエラレオネ内の小売店でレシートをもらうのことが不可能なことや、細かいお金の管理をすることが複雑で、会計簿をつけ提示してもらうことは、難しいことがわかりました。

また、子どもたちが急に手術が必要な大きな病気になったときに、貯蓄がないばかりに、病院にいくことを里親がためらい、病気の原因発見が遅くなったケースが過去にありました。

そのようなときのために、現在は、月50,000LeをNPO法人アラジが毎月孤児一人ひとりの貯蓄金として管理しています。子どもたちが進学するタイミングや、急な病気の時に、里親宅との関係が良好で、一定の基準にクリアしているなどのすべてのチェック項目を現地スタッフが判断し、貯蓄金を引き出すことのできる仕組みを作っています。

どうすればFGMを止められる?NPO法人アラジの事例から

実は昨年11月(2か月前)の家庭訪問で、ショッキングな知らせがありました。

災害孤児支援の対象である女の子の里親が、彼女を村のFGMの儀式へ行かせるというのです。

彼女の母親は土砂災害で流されて亡くなり
義理の父親がそのまま育児放棄したため
親戚宅に引き取られることになりました

災害から1年後…
ようやくアラジの現地スタッフ達に
笑顔を見せてくれるようになりました

現地スタッフの報告によると、彼女の里親宅の女性は全員FGMを受けており、文化として当たり前のことであるという認識であるということ、そして彼女は、実際に何をされるか、知らずに楽しみにしている様子だったということです。

左がアラジの現地スタッフ
シア・ブライマ
その他の里親宅にて

現地スタッフは非常にショックを受けてしまい、「彼女をFGMに行かせるのなら、この支援をやめなければならない」とまで言ってくれたようですが、このような事態を考慮し、半年に一度更新する契約書に、きちんと明記しておかなかったこちらの考え不足が招いた出来事でもありました。

その後、現地スタッフのシアが何度も里親宅に連絡を入れ、彼女はFGMを実施せずにすみました。

孤児支援の契約書には、今後FGMと児童労働の禁止を明言。

半年ごとに契約更新している、災害孤児支援の里親との契約書ですが、今後はFGMの施術と、児童労働の禁止を明言していきます。また、毎月の貯蓄金(50,000Le※約500円)の引き出しは、現地スタッフがFGMを施術していないことをチェックし、申請が下りる仕組みとしました。

FGMの施術は本人の意思を尊重して

FGMをすることに対して、外国支援組織側から「禁止」と明言するのは、大切な慣習・伝統的な文化という側面からみると、とても一方的なように思えます。とはいえ、こちらが譲歩していてばかりでは、苦しい思いをする女の子はいなくなりません。

本人の意思の尊重なく、施術されるFGMは権利の侵害です。長期的に女の子の体・心に多大な影響を及ぼします。

私たちは、農村部でのFGMについては、麻酔や消毒のある環境のもと、本人の意思を尊重したうえで、より安全に執り行われることを望みます。

また、今後、孤児となった子どもたちの支援は続けていきますが、今後も契約書には、FGMの禁止を明記していきます。

あと 6 名の里親サポーターを募集しています!

写真右は災害孤児となったメアリー(仮名)
 18 名の家族は土砂の中みつからないままとなりました。
現地パートナースタッフ(中)が里親(左)に
ヒアリングを行っている様子です。

月 3,000 円で孤児 1 名の里親なっていただく「里親サポーター」制度のご支援を募集しております。孤児支援活動の支援拡大に伴い、6名の里親サポーターを募集しております。

毎月活動報告とともに、子どもたちの写真データをメッセージでお送りするほか、半年に一度、ご自宅へ写真つきで子どもたちからのお礼のお手紙とプレゼントを送付いたします。

現在は 16 名のみの災害孤児支援ですが、今後里親サポーターやマンスリーサポーターとして、アラジの仲間になっていただける方が増えれば、活動範囲を広げることができます。

月 3,000 円からの災害孤児支援「里親サポーター」についてはこちら

皆様のご支援のほど、引き続きよろしくお願いいたします。

(投稿)下里夢美